スマートブレイン本社−世界を支配する超巨大企業の中枢である。 その本社ビルの正面入口にスマートブレインの装甲車が1台 ライオトルーパーを乗せたジャイロアタッカーが5台止まり、装甲車の中から
4人の男女が降り立った。 その姿に本社ロビーの社員はざわめきたつとすぐさま入口からエレベーターに続く
通路の両脇をかためた。 暗黒の四葉=ラッキークローバー。 その名前とメンバーを知らぬ者はスマートブレイン社員にはいない。 彼らはいつも敬意・畏怖・羨望の眼差しで迎えられる。 車を降りた4人はライオトルーパーに警護されながら颯爽と本社に入り
社員がつくった道を歩いていく。 中央を涼しげな顔をした美少年・北崎、その両脇に腕を組み不敵な笑みを浮かべる
影山冴子に自信満々の表情の琢磨逸郎がかため、後ろにチャコを抱いたジェイが続く。 頭をさげ見送った女性社員が北崎の姿に歓声をあげる。 そのルックスから北崎は女性社員の間で人気があり、ファンクラブまでできている。 だが、そのほとんどが彼の持つ深く暗い闇を知らない。 エレベーターの入口で頭をさげるスマートレディが4人を出迎えた。 「長旅お疲れ様です。皆様のご到着をお待ちしておりました。」 そう言うとスマートレディは顔をあげた。 いつもと全く違うスマートレディの対応にもその“存在”の絶対さがうかがい知れる。 スマートレディは4人を社長室へと案内した。 「ラッキークローバーの皆様、お待ちしておりました。
長旅でお疲れのところ本社にお呼びたてして申し訳ありません。
私、この度本社社長に就任致しました州浜伊織です。皆様にお会いできて光栄です。」 おおげさすぎるくらいの言葉と満面の笑みで新社長州浜は4人を迎えた。 「あなたが新社長の州浜君ね。話は聞いているわ。私は影山冴子、よろしくね。」 と冴子が腕をくんだまま笑顔で挨拶した。 「私は琢磨逸郎…まぁ、自己紹介しなくてもご存知のことだとは思いますが…」 と眼鏡をなおしながら琢磨が挨拶をした。 北崎とジェイは全く興味なしという感じで特に何も言わない。 「で、早速だけど私たちが何故呼ばれたのか、聞かせてくれるかしら。」
と冴子が本題を切り出した。 「まぁ、だいたいは聞いてますがね。」と琢磨が付け加えた。 それに答え州浜が話をはじめた。 「実は昨日、私の就任披露パーティーにご出席していただく予定だった各国支社の代表者が
“裏切り者”の起こしたテロで全員亡くなるという事件が起こりまして…」 その話に冴子が「まぁ…恐い」と答えると琢磨がくすっと笑った。 それに対して北崎が「ねぇ?さっきの面白かったの?」と琢磨に聞いた。 州浜が咳払いをして話を続ける。 「その裏切り者の正体がライダーズギア開発部のメンバーだったのです。
彼らは強力なギアの力を利用し我々に叛旗をひるがえしたのです。
しかもやっかいなことに、どうも人間解放軍と合流したようなのです。」 「人間解放軍?」と冴子が復唱した。 「この国の生存している人間が作った抵抗組織ですよ。
まだ彼らも殲滅できてなかったとは、驚きですね。」と琢磨が答えた。 「1年前の例の事件以来…人間解放軍に加担する裏切り者が増えSWATもひどく
手をやきましてね。」と州浜が言う。 「救世主…伝説のことね。」 冴子が言う。 「はい…。そこで本題なのですが、ラッキークローバーの皆様のお力で裏切り者たちと
人間解放軍を殲滅させ、ギア一式を取り戻してもらいたいのです。」と州浜が語気を強める。 「一網打尽…っていうわけね。」と冴子が不敵の笑みを浮かべる。 琢磨も「一石二鳥…いや三鳥ですか」とニヤリと笑う。 それに対して北崎が「琢磨君、それは違うと思うなぁ…つまり皆倒しちゃえばいいんだよね。」 と無邪気な笑顔を州浜に向けた。 「その通りです。是非皆様の力を存分にお見せください。」 そういうと州浜も不敵な笑みを浮かべた。
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