30分後−
コートの男=エレファント・オルフェノク、ショウ=ソードフィッシュ・オルフェノク 皮ジャンの男=オックス・オルフェノク、そしてスーツの男=ライオン・オルフェノクが 冴子の呼び出しを受け、廃車置場に来た。 「とりあえずこちらは四人用意したけれど…誰からいこうかしら?」 冴子は四人を並べ思案を始めた。 「冴子さん、四人も呼び出すからどんな相手かと思えば…相手はただの子供じゃないですか。」 そう言ってショウは笑った。 「それならあなたから行く?」 ショウの目の前に立ち冴子が言う。 その顔は冷ややかなものだった。 「面倒だから四人まとめてでいいよ。」 ニヤニヤしながら北崎が言った。 「へぇ〜、けっこうな自信だねぇ。」 コートの男もニヤニヤしながら言うと、とたんにオルフェノクに変化し北崎に殴りかかった。 刹那、エレファント・オルフェノクのパンチを北崎は変化することなく受け止めた。 北崎の顔からは笑みが消え、冷酷な顔つきになっていた。 エレファント・オルフェノクは拳に力を入れるがびくともしない。 「見せてあげるよ、僕の力…」 北崎が呟いた瞬間、その細身から想像できない巨体へと変化した。 ドラゴン・オルフェノク。その姿は禍々しいの一言につきた。 パンチを受けた逆手で、北崎はお返しのパンチを放った。 エレファント・オルフェノクの体が後方へ吹き飛び、地面に落ちてからも滑り 廃車の山に突っ込んだところで止まった。 その頃には他の3人もオルフェノクへと変化し、北崎に攻撃を開始していた。 ソードフィッシュ・オルフェノクは2本の剣で斬りこむ。 オックス・オルフェノクは拳状の鉄球で殴りかかる。 ライオン・オルフェノクは召喚した槍で斬りかかる。 北崎はソードフィッシュ・オルフェノクの斬撃を体で受けると 両手に龍の顔を模した巨大なクローを召喚し、続くオックス・オルフェノクの鉄球をガードし ライオン・オルフェノクの槍を打ち払った。 両手のクローを大きく左右に開くと、咆哮と共にオックス・オルフェノクと ソードフィッシュ・オルフェノクにカウンターをくらわす。 ライオン・オルフェノクは瞬時に間合いを広げ、北崎のカウンターをかわした。 エレファント・オルフェノクも廃車の山から復活し、再び戦闘に加わる。 召喚した大砲をかまえる。 それを見てライオン・オルフェノクも上半身を反り、中央のライオンの顔をかまえる。 同時に光弾と火球が北崎めがけて撃ち出された。 北崎はクローを顔の正面でぶつけると、そこから発生した雷光で迎え撃った。 互いの中央で爆発が起こる。 爆風に耐えるソードフィッシュ・オルフェノクとオックス・オルフェノク。 その二人を眩い光が襲った。 続いてエレファント・オルフェノクとライオン・オルフェノクも眩い光に襲われた。 4つの稲光の後、倒れ人間の姿に戻った4人のオルフェノクと やはり人間の姿に戻った北崎がそこに立っていた。 冴子はその“一瞬”に驚愕していた。 爆発の瞬間、ドラゴン・オルフェノクの体からまるで鎧が剥がれ落ちるかのように 重そうな装甲がとれ身軽な姿になると目にも止まらぬ速さで4人のオルフェノクの 間を通過した。 その途中発生した雷光と共に次々とオルフェノクたちは倒れ人間の姿に戻っていた。 ほんの数秒の出来事だったが、冴子はしっかりと目撃していた。 「どう?僕の力見てくれた?」 無邪気な笑顔で北崎が冴子に尋ねた。 「えっ、えぇ…すごい…すごいわ!あなたは間違いなく最強よ!」 冴子が興奮して言う。 “まさかこれほどまでの能力を持っているとは!” 「これで決まりね。おめでとう、合格だわ。」 冴子は満足そうな笑みを浮かべた。 北崎も笑顔で応えた。 最後の1人−北崎がラッキークローバー最後の一葉に決まった。
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