|  フェックラマルクト(Voecklamarkt)に停車中のET26型電車。ET26.108と109の2輛が在籍していた。 
この電車はスイス南部の私鉄AOMC(Aigle-Ollon-Monthey-Champery)から1985年にやって来たもので、全長16300mm。荷物室を有する「モハニ」で、この電鉄に移籍後パンタグラフが1基より2基に改造されている。 
顔つきとサイドビューがいかにも「スイス」らしい洗練さだ。 |  
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 |  電車の横腹に村の紋章が描かれている。 
このような紋章を車体に描く傾向は隣国スイスで多く見られ、どの紋章の意匠も秀逸である。 
市町村の紋を誇らしげに描く感覚は、日本の公営交通が車体に表示するマークとは違い、住民が抱く「郷土愛」のような雰囲気を感じる。 |  
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 |  電車は定刻に発車。 
軌道の乗り心地は上々だ。 
ハンドブレーキの前に置かれた帽子と鞄の立派なこと! |  
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 |  一段下降窓を開ければ、草の香りを含んだ爽やかな風が入ってくる。 
沿線は草地が続き、時折こうした村が現れる。 |  
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 |  途中で停車するのは駅員無配置の停留所ばかりであるが、唯一セント・ゲオルゲンだけは駅員配置の「駅」で、周辺はまとまった村になっている。 
村は、教会の尖塔を中心にした平和で美しい佇まいである。 |  
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 |  アッター湖(Attersee)が見えて来た。 
並行する道は未舗装であるが、散歩を楽しむ人が多いのか、前方の電柱脇にベンチが置かれている。 |  
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 |  車内はクロスシート。内装は、いかにもスイス製らしく、肉厚のアルミ材をふんだんに使った良い造りである。 
一角に子供を3人連れた母親が乗っていた。 
僕がカメラを向けると一番上のお姉さんが微笑んでくれた。 
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 |  約30分でアッター湖駅に到着した。 
行楽へ向かうとおぼしきグループが下車した。乳母車が混じっており、母親が子供の世話をしているのを皆笑いながら眺めていた。 |  
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 |  駅構内には電車庫や側線が並んでいた。 
1日10数往復の鉄道であるが、どこを見てもきちんと整備され、日本の地方私鉄のような「うらぶれた」感じはない。 
右手のプラットホームは貨物用と思われる。 |  
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 |  小さな私鉄であるが、何とビュッフェ車がある。 
もちろん定期運行用ではなく、行楽時期や貸切用である。 
B4bu 20223。全長15240mm。 |  
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 |  駅本屋は一部の壁に木組を露出させた建築。 
駅本屋から湖の方向に道が続いていた。 
白樺の木に囲まれ、周囲は静かな佇まいであった。 |  
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 |  折返しの時刻までアッター湖畔を散歩してみた。 
シーズンオフで、周辺には人影がない。 
僕は深呼吸をしてから、この情景をカメラに収めた。 |  
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