七色とうがらし通信 vol.17 10.6.18 発行 吉川 厚 <シリーズわたしはたびびと>
南の島へ…
うっとうしい天気がつづいていますが、梅雨が明ければ、あの夏が来ます。夏といえば、ビールに、西瓜に、蚊取り線香ですが、今年はGWに一足早く、沖縄の八重山で夏気分を味わってきました。
今回の目的は、南の海でシュノーケリングをすること。東京では、みな上着を着ている中、泳ぐというのもピンときませんでしたが、とにかく出発です。28日は夜の飛行機で那覇までゆき、沖縄国際YHで一泊。翌日、石垣に飛び、西表島船浦行きの船に飛び乗りました。
船の上では…
船はフェリーではなく、高速船というやつです。私は、たいていデッキに席を取ります。潮風が気持ちいいし、誰も乗っていなければ、大声で歌っても、エンジン音でかき消されてしまいます。海で歌うのは好きです。ちょっとわくわくしてきますよ。
<ミニ情報> 石垣島から西表島船浦へは、日に10便の船が出ています。八重山観光フェリーと安栄観光の2社が運行していますが、安栄に乗ると、港から宿まで送迎してくれます。
洞窟探険
みどり荘YHに着くと、同室の人が声をかけてくれました。これから、洞窟にゆくそうです。いちもにもなく同行することにしました。
洞窟は道端にぽっかり口を開けていました。かっこうはTシャツに、海パンに、足元はいわれるままに地下足袋を拝借してゆきました。
後ろの人が照らしてくれるヘッドランプの灯りを頼りに、いっぽいっぽ進んでいきます。叫び声とともに、砂が崩れる音。負傷者が約1名。足元には水がたまっていて、岩を乗り越え、乗り越え、広くなったり、狭くなったり。気分は否が応でもたかまります。
やがて行き止まりとなりました。足元に40センチほどのすきまの穴があり、そこを入っていくといいます。しかも、水がたまっています。先頭が入っちゃいました。戻ってきません。どうやら抜けたようです。
腹這いになって進みます。口は水に浸っているので、鼻だけを水上に出し、約3メートル。前方に光が見えました。立ち上がって進むと、視界が急に広がり、そこは海でした。
干潮で、遠くまで珊瑚礁のリーフが露出しています。満潮時には、洞窟は水没してしまうそうです。
<ミニ情報> 西表島には、みどり荘YHといるもて荘YHの2つがありますが、いるもて荘はダイバーばかりのようです。
ぴないさーらの滝
ぴないさーらの滝へは、河をさかのぼってゆきます。干潮時には、干潟になる河口も、今は腰まで水につかり、Dパックを頭の上に抱えて、戦火を逃れてきた難民の一団のようです。満潮時には、普通は、カヌーでゆきます。1時間ほど歩くと、山道になります。滝上と滝下への道が分かれた後は、けっこう息が切れました。
滝の上は、海の方まで見渡せ、お弁当にするのによいところです。雨つづきで水量が多く、河を渡るときは、滝壺まで落とされるのではないかと冷や冷やものでした。身を乗り出すと恐怖を覚えるほど落差のある滝です。
われわれ難民隊は、さらに上流をめざすことにしました。常連の人も行ったことがないそうです。あるときは石の上を、また、あるときは河の中を急流にもまれ、流され、岩に打ちつけられて前進しました。
途中、ハブさんにも出会いました。彼女(なんとなくそんな気が…)は、鎌首を持ち上げて、こちらを警戒しています。どきどきでしたが、なんとかクリアー。1時間半ほどたったでしょうか、第二の滝が現れ、われわれの行く手をはばみました。
帰り道、河口まで戻ってくると、そこは一面の干潟で、かになど、はぜなどがうろうろしています。発芽したマングローブが河の真ん中にあったりします。マングローブの種は細長く、それが落ち、干潟にささって芽を出すそうです。かわいいやつという感じですね。
海中水族館
島にいったなら、やっぱり海です。「しげた丸」という船のツアーに参加しました。西表島の西側、祖納(そない)港から、まずはクルージング。マングローブの解説や、道路がないため、船でしかゆけない集落などに連れていってくれます。
そして、午前中は、ゴリラ岩沖合いでシュノーケリングです。黄色や赤のいかにも南の海という魚が泳ぎ回っていました。名前はわかりませんが、食べるとまずそうです。弁当を食べた後は、やっぱり船でしかゆけない、それはきれいなビーチでお昼寝。午後は、再び、シュノーケリング。海人(うみんちゅうと読みます)のTシャツのIさんに潜り方を教わりました。うまくいきませんでしたが…。
30分ほど泳いでいると、波が高かったため、気分が悪くなってしまいました。海に浮かんでいても、船酔いってするんですね。
<ミニ情報> 「しげた丸」は9:30頃、出航しますが、前日までに予約しておけば、宿まで車で迎えに来てくれます。料金は6,300円でした。内容からすれば、私は安いと思います。
泡盛とオリオンビール
夜はもちろん、飲んだくれてました。沖縄で飲むオリオンビールは、なんでこんなにおいしいんでしょう。ビールを買い足して、海にゆきました。風が心地よく、さんしんの音色と波の音が聞こえます。車座になって、ちびちびやりました。時の流れが止まったようで、ほんとに止まってくれればと思いました。
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