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七色とうがらし通信 vol.29 11.11.5 発行 吉川 厚 <シリーズわたしはたびびと> 沖縄・八重山(やえやま)にいってきました。 柳川から この旅は、福岡県の柳川(やながわ)から始まります。福岡から西鉄大牟田(おおむた)線に乗ると、駅が近づくたび、短いオルゴールの曲が流れます。久留米では、涙のリクエストでした。そういえば、チェッカーズの故郷でしたっけ。 柳川は、堀割のまちです。幅3メートルくらいの水路が城跡を中心に流れています。深さはそれほどないようで、これをどんこ船で下ります。まあ、観光用なのですが、人の歩く速さよりも気持ち遅いくらい、柳川はけっこう大きなまちで、人も車も多いのですが、船の上だけは時間がゆっくり流れます。缶ビールをプシュッとあければ、しあわせ。水路の両側は、民家で、きれいな花を植えているうちもあれば、平気でパンツを干してあったりもします。 1時間弱の船旅を終えると、柳川観光の中心地。名物は鰻のせいろ蒸しです。川沿いに鰻の供養塔があり、年間、すごい数の鰻が犠牲になっているようです。若松屋という、ガイドブックに載っている店に入りました。上が1,700円、特上が1,900円なので、つい、特上を頼んでしまうのは人情です。意外にはやく運ばれてきたせいろ蒸しは、ご飯の上に錦糸たまごと鰻の蒲焼きが載せられていて、湯気までうまそうです。器の底は竹で、すきまがあいており、こっから蒸気が入るのでしょう。蒲焼きは関西風でしょうか、わりにしっかり焼いてありますが、蒸すことによりほどよい柔らかさになっています。はっきりいってうまい。名物にうまいものありです。 柳川は6年ぶり3度目ですが、北原白秋生家は初めてです。武家屋敷など昔の日本家屋は好きですね。西洋家屋のように部屋がきちんと区切られてないので、ふすまをはずしてしまうと、開放的。庭にむかって大きく空間が広がって、ごろんと大の字になると、とても気持ちがいいです。ただ、なに、この人、という目でみられますが。気にしない、気にしない、ひとやすみ、ひとやzzz…。 今日の宿は、ルノワルユースホステル(以下YH)です。談話室の壁には、開所○○周年大会の集合写真がたくさん貼ってあり、少し、期待したのですが、ホステラーはわたしひとり。宿の人も、壁一枚隔てた部屋でテレビをみていて、相手はしてくれませんでした。常連の人にだけ、いごこちのいい宿というのが、最近、少し、増えているような気がします。特に昔からやっているYHに。 南下しました ふう。やっと、沖縄の話しです。那覇の沖縄国際YHに1泊し、翌朝7:25の飛行機で、石垣に飛びました。タクシーに乗り込むと、運ちゃんに「西表(いりおもて)にいくのか」と聞かれ、黒島(くろしま)だと答えるとけげんな顔をされました。なにしにいくんだという感じですか。たぶん、この運ちゃんは、黒島には行ったことがないんだと思います。わたしも2回目ですが…。 海のトリトン 離島桟橋から、いよいよ海へ。いつものとおり、デッキに席を取ります。デッキには、カップルが1組。湾内では遠慮していたエンジンが、外海にでると、高らかに歌い出します。これだけ、でかけりゃ聞こえまいと、ぼくも、海のトリトンを歌い出します。水平線のおわりには、ああああー♪ 竹富(たけとみ)島を右手にみて、のどの方も絶好調です。さいわい、カップルは気づいていないようす。空はちょっと薄曇りですが、よしとしましょう。20分くらいすると、海の色が深い青からエメラルドグリーンにかわります。黒島のリーフの上にでました。 港では、今日の宿の宮入(みやいり)荘の車が待っていてくれました。黒島は、人口が200人なのに、牛が2000頭います。初めてのときは、さぞ、牛牛牛なんだろうなと思って来たのですが、島はゆったり広々として、全然きゅうくつではありません。2月には、島興しの牛祭りが開かれ、牛と人の綱引きや、生きた牛1頭が当たる抽選会などが催されます。(当たったらどうする?) らくえん 島のまわりは、珊瑚のリーフが200メーターくらい広がり、波おだやかです。干潮だったので、リーフが露出し、歩いて外海に出られました。リーフの内側にも、プールのようにえぐれたところがあり、魚もいるのですが、外の景色はまるで違います。すごい種類の魚が泳ぎ、きれいな珊瑚がたくさん。こればかりは、実際にみてもらうしかないですね。帰りたくなくなります。体はぐったりしているのに、もうちょっともうちょっととねばってしまいました。宿でいっしょになったKさんは、シュノーケリングが初めて。リーフの中で練習をするというので、置いてきてしまいました。後で聞くと、シュノーケルのくわえ方が悪かったようで、まともに泳げなかったそうです。ちゃんと教えればよかったですね。ごめんなさい。次はがんばってください。 島の夜 昼間はオリオンビールを飲んだくれていましたが、夜は泡盛です。八重泉(やえせん)という石垣島でつくっている安っぽい泡盛があるのですが、これがいちばん。おじいちゃんが宿に訪ねてきて、島の話しをしてくれました。88歳だそうなのですが、理路整然とした話しぶり。もともとおじいちゃんが始めた民宿で、今の宿主にまかせているそうです。他にも、宿には近所の人が勝手に上がり込んでいて、びっくりさせられます。 みんなで夜の海岸に出てみました。今日は満月らしく、曇っているのに、それでも月明かりでじゅうぶん。椰子がにを探したのですが、今夜はだめでした。 ちっちゃなちっちゃな運動会 第11回黒島保育所ちっちゃなちっちゃな運動会(正式名称)をみせてもらいました。ベテランの保母さんが2人で切り回し、テントを立ち上げるのもおとうさんたちが来てからです。児童はわずか6人。父母の他、地域の人たちが集まってきて運動会を盛り上げます。わたしも、おおたまころがしと綱引きに参加しました。島の子はみんな個性的。帰ってきて、写真を現像すると、ほんとうにいい表情が、たくさん写っていました。 |
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