このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
JR九州では、JR九州の鉄道線全線と特急・急行のグリーン車、急行「かいもん」・「日南」のB寝台車が利用できる「豪遊券」というトクトクきっぷを発売している。7月15日(92年)から3日間用が22,000円に値上げ、5日間用は廃止されることになったので、値上げ前に指定席の確保もかねて3日間用を19,800円で購入する。希望通りの指定も取れた。 3日間を有効に使うのに打って付けなのが鳥栖0:26発の西鹿児島行「かいもん」である。まず、B寝台から豪遊がスタートする。その日は、人身事故があったとかで終日ダイヤが乱れ、「かいもん」も45分ほど遅れてやってきたが、途中で回復、西鹿児島には定刻6:15に到着した。 ![]() 知覧の町はかつての城下町で、江戸時代中期の石塀を巡らした武家屋敷跡が落ち着いた町並みを見せる。伝統的建造群保存地区になっており、名勝に指定された当時の庭が7戸に残されている。 枕崎は遠洋漁業の町である。かつおのたたきがうまい。枕崎駅は鹿児島交通南薩線の駅舎だったが、そのままJRが使っている。駅の近くに「南瞑館」という市立美術館があった。山口長男、吉井淳二の作品などが展示されている。 指宿枕崎線で西鹿児島に戻る途中、二月田駅で下車。駅近くにある温泉「殿様湯」に立ち寄る。島津の殿様が湯治に訪れたということだ。きょうは鹿児島泊。 |
◎鹿児島 翌日、鹿児島市街の近代建築を見て歩く。先の大戦で戦災にあっている都市なので堅牢な建物だけが残ったという感じである。 ![]() 川に沿って上って行くと鹿児島刑務所跡がある。跡地はスポーツ施設などが建設中であるが、石造の門だけが保存されている。明治41年竣工した刑務所で司法省大臣官房営繕課(課長山下啓次郎)の設計。 城山の東側の国道10号線は「歴史と文化の道」ということで、博物館をはじめ図書館、美術館、黎明館(歴史資料センター)などの施設が並んでいる。美術館は元の市役所が、黎明館は鶴丸城跡で第七高等学校があったあとに建てられた施設だ。 ![]() 西鹿児島駅から15分くらい歩いたところに鹿児島地方気象台がある。昭和9年の竣工の建物でセセッション様式のモダンな外観は今も色あせてない。 市街地にある学校建築としては、甲南高校(昭和5年)、中央高校(昭和9年)が健在。 ![]() また、近くには「異人館」と呼ばれる木造の建物もある。尚古集成館に技術指導にやってきた英国人技師らのために慶応3年に建てられた建物だ。(重文)
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![]() 「つばめ」に用いられている車両は今回新製された新型車両とハイパーサルーンとしてすでに活躍している車両の2種ある。今回指定を取ったのはもちろん新型車両のほうだ。「つばめレディ」に迎えられ、乗り込んだ車両は「豪遊」だからグリーン車である。1列、2列のゆったりした座席。グループ対応の小部屋も設けられている。車両の設備、内装、サービスはホテルを手本にしたという。 「つばめ20号」は15:22に西鹿児島を発車する。すぐにおしぼり、飲み物のサービスがある。「豪遊」は快適である。東シナ海に沿う鹿児島本縁の眺めを楽しむ。 八代まではさほどスピードは出ていなかったが、熊本平野にかかるとスピードアップしているのが感じられる。博多まで同時間帯の「有明」では4時間15分かかっていたのが「つばめ」になって3時間59分(最速は3時間49分)と約15分の時間短縮になっている。 この日の宿は博多発の急行「にちなん」のB寝台である。これで宮崎に向かう。 |
![]() そのあと宮崎神宮へ行く。この神社の北側に宮崎県立総合博物館があって、その付属の民家園には県内に残る特徴のある古い(江戸時代)民家を四棟移築、公開している。すべて国又は県指定の文化財である。 |
◎美々津 神社風の造り宮崎神宮駅から鈍行電車で美々津に向かう。この駅には鈍行しか停まらないのだから仕方ない。 東都濃から美々津にかけてリニアモーターカーの実験線が平行している。浮上式鉄道実験センターは美々津駅から近い。 ![]() そのあと、日向市に出て、寝台特急「富士」(昼間は座席車として特定区間利用できる)で大分に向かい、さらに豊肥本線を「あそ」でたどり、熊本からまた「つばめ」に乗り継ぐ、と豪遊は続いたのであった。 さて、三日間で乗ったキロ数は1679.3㎞で、通しの運賃は16630円(幹線)に相当。特急、急行、さらにグリーン・B寝台の料金は30640円。合計47270円で「豪遊券」19800円の2.4倍以上活用したことになる。しかし、こんな計算をしているようではほんとの「豪遊」とは無縁かもしれない。 (92.7.23.〜7.26.) |
熊本には市電が残っている。熊本駅から市電に沿って歩き始める。熊本城の西側からJR鹿児島本線の間は戦災にあってない区域のようで戦前の家屋が見られるが、都市計画による取り壊しやマンションなどに建て替わりつつある。 ![]() さらに北に向かうと市電3号線の走る道路に出会う。西辛島町電停近くに上げ下げ式の窓をもつ塗家造りの後藤金物店(大9)がある。市電2号線の分岐から南へ向かったところには早野ビルが残る。 市電3号線に沿って西に向かって、新町電停そばには長崎次郎書店(大13)がある。上熊本行市電に乗ると蔚山町という電停がある。朝鮮と関係があるのだろうか。 JR上熊本駅舎は大正2年に竣工した洋風の建物だ。東側の丘陵地を15分ほど上がったところに旧熊本地方裁判所本館(明41)の中央部分だけが保存されている。 上熊本から熊本電鉄で北熊本に進む。一両だけのワンマン運転だ。 北熊本から南へ数百m行ったところに九州女学院がある。高校本館が大正15年の建物らしいが校内まではいることできず未確認。 ![]() ![]() 水前寺公園の東側に夏目漱石第三旧居に隣接して木造のジェーンス邸が移築されている。 |
松浦鉄道では夏休み期間中(7/21〜8/31)、松浦鉄道線内乗り降り自由・1日有効という「サマーフリーきっぷ」を1600円で発売している。有田一佐世保間を乗り通すだけで1950円なのでお値打ちな切符である。 佐世保駅で切符を購入してレールバスで出発。松浦鉄道は旧国鉄松浦線を引き継いだ第三セクター鉄道で88年4月1日に開業している。 西田平で下車。この駅は松浦鉄道に転換されてから設けられた駅だ(89.3.11開設)。 この駅から歩いて15分ほどのところに「たびら昆虫自然園」という施設がこの7月21日にオープンした。立ち寄る時間がなくてそばを通っただけだが、入口の案内に「この付近にいる昆虫だけで、珍しい昆虫はいません」とことわり書きがあった。都会から見れば自然に恵まれた土地なのに、こういう施設がなければ自然観察ができなくなってきたらしい。 ![]() かつては平戸島へはフェリーが連絡していたが、77年4月に平戸大橋が掛かり陸続きになっている。平戸は城下町で、長崎に出島が設けられるまで、オランダなどとの貿易の窓口であった。現在はオランダ商館跡が史跡になっている。 平戸教会はザビエルを記念して昭和6年に建てられたもので、端雲寺から見上げるゴシック様式の教会堂の構図は、寺院と教会が共立する平戸ならではの風景で、観光写真によく取り上げられる。 平戸からバスで30分ほどのところには紐差教会がある。昭和4年に建てられたものだ。丘陵から紐差の集落へ下るバスの車窓から見える白亜の教会堂の眺めは印象的だ。 |
近代的なホテルが並ぶ温泉街に洋風建築の外湯がある。今回はそれを紹介しよう。 ![]() |
![]() 嬉野はお茶の産地で付近は茶畑が広がり、近くに「肥前夢街道」というのがある。江戸時代の宿場町を再現した映画村的観光施設である。 |
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