このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
六甲有馬ロープウェーを訪ねて ![]() 阪急六甲駅で下車。駅前から六甲山頂行の阪急バスが出ているが、それには乗らないで、少し離れた神戸市バスのバス停から六甲ケーブル下行に乗る。六甲山に向かう人たちでけっこう混んでいる。バスはどんどん坂道を上って行き、10分ほどでケーブル乗り場に着いた。山小屋風の駅舎である。 六甲ケーブルは、六甲越有馬鉄道が1932(昭7)年3月に営業を開始した路線で、戦時中一時休止させられたとはいえ70年からの歴史があるケーブル線だ。1975(昭50)年10月に摩耶ケーブルを運営する摩耶鋼索鉄道を合併し、六甲摩耶鉄道となった。ところが、摩耶ケーブルは、この前の地震で大きな被害を受け長らく休止していたのだが、2000年に神戸市都市整備公社に譲渡され、現在は摩耶ロープウェーと一体的に運営されている。 六甲ケーブル下駅からいくつかトンネルをくぐりながら六甲山上駅まで1.7km、標高差約500mが10分で結ばれている。ケーブルカーは2両編成で、山上側がふつうの箱型で、山下側が屋根までガラス張りとなった展望車である。数年前に車両が更新されたそうで、今のは3代目らしい。 ![]() ケーブル山上駅から一段下がったところからロープウェーが出ている。表六甲駅から5分ほとで天狗岩駅に着き、乗客が乗り換えるとすぐに六甲山頂カンツリー駅行がでるようになっているのだが、廃止される駅など写真に収めたかったので途中下車。 ここから歩いて15分くらいのところに六甲オリエンタルがある。安藤さんに詳しい人ならご存知の「風の教会」があることで知られる。 六甲オリエンタルホテルは1934(昭9)年の創業で、70年の歴史を誇る。このホテルと同様、六甲ホテルも古い。戦前は、今のロープウェーとはまったく別の六甲ロープウェーがあって六甲ホテルの近くに発着していたらしい。1931(昭6)年の開業で「六甲登山架空索道」が運営していた。当時のガイドブック『日本案内記 近畿篇 下』(昭8 鉄道省編纂)によると、六甲山登り口−六甲山上を7〜10分で結んでいたそうだ。 この本に六甲山の地図が載っており、登り口駅があったのは、六甲ケーブル下駅から表六甲道路を1.5kmほど上がったところにあって、前ヶ辻谷の斜面を登って六甲ホテルの近くに達していたようだ。戦時中の昭和19年に休止に追い込まれ、復活することはなかった。 ![]() 箱木千年家と近代土木遺産 ![]() 建物の規模は、もらったパンフによると母屋は桁行約11.4m、梁間約8.4mで、広さとしては約100㎡弱の平屋である。 100㎡というと広いように思えるが、その半分は、かまどなどがある土間で、残りは板間。土間の4分の1くらいは厩が占める。 建物のなかはかなり暗い。南側に縁側があっても、わら葺き屋根の軒の出がかなり低いところまできているのであまり光がはいってこない。軒は少し屈まないといけないくらいの高さだ。囲炉裏がある10畳くらいの「おもて」、4畳くらいの「だいどこ」、奥まった6畳くらいの「なんど」の3部屋に分かれている。こんな狭い板間でどんな生活が行われていたのだろう。 箱木家は三木の別所氏に仕えた地侍で、江戸時代は衝原の庄屋だったらしい。そんな歴史を伝える資料が江戸時代に建てられた離れのほうに展示されている。 ![]() 呑吐(どんど:ダムの案内板によるとここにに堰があったことにちなむ名らしい。堰とか水門によって堰き止められて水のあるところを「どんど」というようなのだが、こんな漢字をあてるとは知らなかった。漢字から酒飲み的な印象を受けるが、<呑>も<吐>も土木のほうではふつうに使う漢字ではある)で、ダムから三木に向かって4kmほど行くと山田(志染)川と淡河川の合流する御坂である。ここに御坂サイフォン橋というのがある。 ![]() 淡河疎水は、琵琶湖、安積とならんで日本三大疎水といわれるだそうだが、この2カ所に比べ、すこし知名度が低い。日本初というのをもっと誇るべきだろう。 裏六甲・山田川に沿って 神戸市北区、六甲山系の北側は神戸電鉄の沿線にあっては、斜面を切り開いた住宅地が広がっているが、箕谷から三木に向かう山田川流域は山間にひらけた農村部である。文化財も多い。由緒ある神社や寺院だけでなく「農村舞台」というのもある。 農村舞台は、江戸時代末期には全国的に建てられたものらしくて、回り舞台などの仕掛けをもつものもあるそうだ。箕谷駅から北へ15分ほどのところにある下谷上農村舞台は、山田中学校そばの天彦根神社境内にあって、国有形民俗文化財に指定されている。(ただ、雨戸が閉じられた舞台は、大きな物置小屋のようだ。最近では、地元の小学生らによって、公演が行われるらしい。) ![]() |
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