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京阪電気鉄道1550型電動制御車
京阪電気鉄道1550形電動制御車です。京阪電鉄が京阪全通後、神戸進出のため、阪神電鉄と提携し、大阪市電を経由して京都〜神戸簡の全通運転を企図しました。京都から大阪片町付近で、大阪市電に乗り入れ、梅田新道を経由して、野田阪神で阪神電鉄と結ぶという計画でした。当初大阪市は乗り入れ自体に難色を示しましたが、16番系統で片町から玉川4を経由して野田阪神に至る路線を全面的に京阪電鉄が整備し拡充することで交渉はまとまり、鉄道省の特別設計認可を受け、京阪、大阪市、阪神の相互乗り入れによって、京都三条から神戸元町まで、直通電車が開通しました。3社とも寸法のみ統一した、いずれも2両編成で、大阪市電沿線は、ステップ付きの扉を乗務員室の近くに設けること、連結器高さを統一したほかは独自の設計で乗り入れ車両を製造しました。京阪電気鉄道1550形は、車体形状は、車体幅2700mm、車体長18000mmの2扉転換クロスシートの片運転台車として製造され、奇数車が京都向き、偶数車が大阪向きでした。製造当初はポール集電でしたが、架線強化の上パンタグラフ集電に移行することが予定されていましたので、パンタグラフも設置されました。京都〜神戸簡全通運転の評判が良かったので、阪神電鉄は、神戸市電を介して山陽電鉄と結び、京都〜姫時間の私鉄による全通運転網が開通しました。京阪電鉄はその後京津線の路盤拡充強化により、浜大津までの乗り入れを完成させると共に、京都市電と交渉の上、京都三条〜出町柳簡を京都市電に乗り入れ、叡電鞍馬までの乗り入れも続いて果たし、ここに一部路面電車を介した関西一大インタアバン網が完成しました。乗客の増加に伴い、最大4両編成の直通列車が運用されましたが、1550型の前面防護柵は連結運転に支障が生じるためその時に撤去され、貫通幌も取り付けられました。
実車は、車体幅2587mm、車体長16010mmの中型車で、車体形状は運転席側は三枚窓の正面非貫通で、連結面は貫通扉付きで、車内は扉間にシートピッチ900mmの転換クロスシートが16組設置されているほかはロングシートとなっていました。製造当初は、ポール集電でしたが、後にパンタ集電に改造されました。戦時中の混雑に対応するために、順次ロングシート化され、戦後になって全車ロングシート化が完了しました。京阪普通車の主力として活躍を続けましたが、寄る年波には勝てず、1960年から車体更新が行われ、近代的な3扉両開車となりましたが、1500V昇圧に伴い全車廃車されました。増備形の700系の車体は昇圧に備えた1000形に流用されました。
京阪1550形PDF図面 A4 1/120
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