このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
黒部鉄道テン1型展望電動制御車
黒部鉄道が宇奈月温泉の宣伝用として製造したテン1型展望電動制御車です。車体幅2700mm、車体長18000mmの全鋼製車で、上部はドイツ国鉄ET41型ガラス電車に遅れること2年、デザインもよく似たガラス張りの展望電車となりました。室内はシートピッチ930mmの転換クロスシートで、車体中央部に乗降扉と便所洗面所が設置されています。特殊な構造のため、パンタグラフは車体中央部の強化された部分に設置されています。両運転台で、運転席は正面中央に配置されていますが、観光用のため仕切は無く、夜間運転の場合はロール式カーテンで遮光します。黒部鉄道は直流600Vであったため、富山電鉄乗り入れのため、複電圧車となっています。製造初年度は窓はすべてはめ殺しでしたが、夏期に室温が上昇して不評だったため、直ちに下段の窓を下降開閉できるように改造されました。冬期の厳しい気象条件に備えて、角窓はロックで密封できるようにしてあります。せっかくの観光用車両でしたが第2次世界大戦勃発とともに、観光どころではなくなり、また構造上改造も難しいので、宇奈月温泉駅構内に留置されていました。幸い戦災を免れ、戦後はいち早く進駐軍に接収され、高級将校の観光用として使用されました。接収解除後は再び観光電車として富山市内から宇奈月温泉に向かう観光客に貸切電車として使用されましたが、世情が落ち着くと、エアコンの無い優等車両は不評になったため、洗面所を閉鎖して、冷房装置を設置しました。観光用として逐次改善を重ねてきましたが、寄る年波には勝てず、1970年に一旦廃車になり、保管されていましたが、その特異な形状により、運転を望む要望が強くなり、再び動態保存車両として復活し、現在も観光貸切用として、使用されています。この車両はプロトタイプはありません。あくまでET41型をモデルにした架空の車両です。
黒部テン1型PDF図面 A4 1/120
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