このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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国鉄モハ70000形3等電動制御車


国鉄モハ70系の、モハ70000形3等電動車です。横須賀線沿線の住宅開発に伴い、乗客が増加し、2扉のモハ32系では混雑時の乗客をさばけなくなり、モハ51系をベースにした3扉セミクロスシート車として開発されました。車体形状は車体長19500mm、車体幅2805mmの戦後の標準寸法ですが、幅1100mmの客室扉を3カ所設け、扉間は横須賀線用0番台はシートピッチ1800mmの固定クロスシート、京阪神緩行用は両端の固定クロスシートの間にシートピッチ900mmの転換クロスシートとし、連結面車端部片側には便所、反対側にはシートピッチ1800mmの固定クロスシートが設置されています。走行部分は第一次車では台車はDT16、次いでDT17,DT18,DT19,DT20と多岐にわたりますが、主電動機は第一次車ではMT40の釣掛式でしたが、第二次車ではMT40Cとなり直角カルダン駆動が導入されました。直角カルダン駆動は初期故障が多発し、一時釣掛式に戻すことも考えられましたが、官民あげての改良により、所期の性能を発揮できるようになり、以後の増備車はすべて直角カルダン駆動となり、第一次車も直角カルダン駆動に改造されました。主幹制御器はCS10を採用、長大編成に対応可能となりました。車内は横須賀線用の0番台は扉間は戸袋部を除きシートピッチ1800mmの固定クロスシートが4組、京阪神緩行用の100番台は扉間に固定クロスシートに挟まれて4組の転換クロスシート、車端部にいずれも1800mmの固定クロスシートが2組づつ設置され、戸袋部はロングシートです。
登場当初は、モハ32系との混結でしたが、增備が進むにつれてモハ70系単独での運用になり、基本7両、附属5両の12両編成となり、その後、基本編成のサロを附属編成に移し、基本、附属とも6両編成として混雑時は12両で運用されました。その後沿線の宅地開発に伴得乗客の増加に伴い基本、附属とも7両編成とし、最大14両編成の長大編成で輸送力向上に備えました。モハ70系は横須賀線だけでなく、関東地区では中央東線にも投入されましたが、中央線のトンネルが低く、建築限界の関係で十分な絶縁距離が取れないため、パンタ部分の屋根を低くしたモハ70800形を製造し、これに対応しました。モハ70800形は、勾配区間の安全を考え発電ブレーキを常用するよう追加されました。また京阪神緩行用として、モハ51,54系の後継車として京阪神地区にも投入されましたが、車内装備の違いでモハ70100番台として登場しました。また買収路線の阪和線の特急急行用置き換えとして阪和線にも投入され、特急、急行用、後に快速用として活躍しました。中距離路線で長く活躍したモハ70系も相次ぐ新製車の投入により、活動の地を追われ、相次いで地方路線に転用されました。まず新潟電化に伴い信越線に、中央西線電化に伴い名古屋地区に、両毛線電化に伴い前橋地区に、そしてその後、長野地区、広島呉地区にと地方線区でも活躍しましたが、福塩線を最後に全車廃車されました。実車は車体寸法は同じですが、室内はシートピッチ1400mmの狭い固定クロスシートで車端部はロングシートになっています。中央東線用の低屋根車は別形式のモハ71000形とされました。横須賀線を中心に、京阪神緩行、中央東線、阪和線で活躍の後、信越線、両毛線、仙石線、中央西線、岡多線、呉線、福塩線党で活躍の後、全車廃車されました。モハ51系の後継車として登場し、その後の近郊電車の基礎となりました。図面は上段が、全金属製のモハ70300形、下段が低屋根構造のモハ70800形です。

m70000p.pdf へのリンク

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