このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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国鉄モハ80000形3等電動車

国鉄モハ80形のモハ80000形3等電動車です。東海道線東京口は戦前からモハ32系が熱海まで、丹那トンネル開通後は沼津まで近距離輸送に活躍してきましたが、老朽化のため新型車両に置き換えることとなり、モハ80系が製造されました。3等中間電動車のモハ80形、郵便手荷物専用車のモユニ81形、3等電動制御車のモハ82形、2等付随車のサロ86形、3等付随制御車のクハ86形、3等付随車のサハ87形からなるシリーズは、基本編成10両+付属編成5両に郵便手荷物車1両を加えて最大16両編成で東海道線の中距離輸送に集中して投入され、輸送力向上に寄与しました。モハ80000形は、車体形状は車体長19500mm、車体幅2805mmの標準寸法ですが、戦前の車両より屋根の深さが薄くなり、軽快感のある車体となりました。第一次車は雨樋、シル・ヘッダー付きで、室内は戸袋部を除きシートピッチ1800mmの固定クロスシートで、側窓は1200mmの広幅窓となっています。下回りは台車は第一次車はDT15、主電動機はMT40の釣掛式でしたが、その後DT16からDT20まで製造年次によって逐次変更されました。主電動機はモハ80200番台製造時に直角カルダン駆動が採用され、MT40を直角カルダン用に改造し、出力を150KWととしたMT40Cに変更されました。直角カルダン駆動は登場当初は駆動歯車関連の故障が多く、車両の稼働率が低下したため、釣掛駆動に戻すことも検討されましたが、国鉄、車両会社、製鉄会社の懸命の努力により、徐々に故障が減少し、実用化されました。モハ80系は、当初は東海道線東京口の中距離輸送用として集中投入されましたが、その後京阪神急電に、また、東北本線、高崎線電化の進捗に伴い、中距離列車の電車化に使用されました。東海道線全線電化時には、東京〜名古屋間の準急「東海」、名古屋〜大阪間の準急「比叡」に充当され、順次優等列車にも投入されました。また、買収社線の比較的長距離区間の飯田線や、身延線にも投入され、身延線用は車両限界が小さいためパンタ部分が低屋根化され、モハ80800番台に型式変更されました。モハ80800形は中央線新宿〜甲府間の準急にも使用されました。また、駿豆鉄道や、富士山麓鉄道等、観光地のある社線にも乗り入れました。モハ80形は電磁直通ブレーキ化したモハ80400形まで製造され、モハ80400形は、特別2等車や食堂車も製造され、東京〜大阪間の急行に充当されました。全国展開で活躍したモハ80系も、次第に新性能車の登場により首都圏から姿を消し、最後は飯田線で終焉を迎えました。実車は湘南電車としてあまりにも有名で、横須賀線よりさらに長距離の普通列車の置換用として、両端デッキ付きの、長距離仕様の車体と、オレンジとグリーンの塗り分けの明るい車両は一躍国鉄電車のトップランナーに押し上げました。当初は東海道線東京口の東京〜沼津間の中距離普通列車の電車化として投入され、次いで京阪神地区急電の置き換えに、そしてその後電化の進捗に伴い、高崎線、東北線と順次活躍の場を伸ばし、さらに東京〜名古屋間、名古屋〜大阪間の準急列車にも充当されるようになりました。車内は第一次車は戸袋部を除き、シートピッチ1400mmの固定クロスシート、高崎専用の増備車からはシートピッチ1480mmに広げられ、客車並に整備されました。しかし新性能車の投入により、徐々に首都圏、関西圏から活躍の場を奪われ、地方線区に投入され、準急列車の電車化に貢献しましたが、新性能車の増備に伴い姿を消していきました。
図面上段は、モハ80300形、下段は、低屋根に改造されたモハ80800番台の姿です。

国鉄モハ80000型PDF図面 A4 1/120


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