このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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名古屋鉄道ク2080形付随制御車

 名古屋鉄道ク2080形付随制御車です。ク2080形は太平洋戦争中、資材が軍需優先の影響から、資材は著しく不足を生じていました。そのため、西部線用の制御車を名鉄鳴海工場において木造の粗製車体を新製し予備品の台車と組み合わせて2両が製造されました。車体形状は車体長15242mm、車体幅2464mmで、デハ1060形とほぼ同一寸法で、工場手持ち古台枠を流用したため側面の車体裾部が若干切り上げられ、台枠が外部に露出した構造となっています。妻面は平妻で、正面貫通路、貫通幌付きで、乗務員室は片運転台構造で、運転台は半室構造です。側面には側面には500 mm幅の乗務員扉、1000mm幅の片開乗降扉、扉間には700mm幅の2段式の側窓をそれぞれ配しています。 戦時下とはいえ、昭和の時代に入ってまだ木造車両を新造していたとは驚きです。本形式に続いて、東部線用に木造で付随制御車を製造する計画がありましたが、、同寸法の木造車体と半鋼製車体を比較した場合、鋼材の節約には繋がらず、半鋼製車のほうが、構体全体の鋼材使用量も木造車と比較してわずかの増加に留まることから、1943年、半鋼製のク2180形2両が製造されました。ク2080形はしばらくモ830と編成を組んでいましたが、格差が大きいので、変性を解かれ、他の小型電動車と組み合わせて使用され比較的早期に廃車されました。
 実車は、太平洋戦争中、戦時体制下、名鉄においては輸送量の増大に対応すべく車両増備の迫られていました。ところが、資材が軍需優先の影響から、民間向け資材は著しく不足を生じていました。さらに、従来名鉄における鉄道車両の発注を独占的に受注していた日本車輌製造が軍事関連の受注に追われ、名鉄向車両の製造を行う余裕がなかったため、西部線用の制御車として製造されたク2080形は名鉄鳴海工場において木造の粗製車体を新製し予備品の台車と組み合わせて製造されました。面は平妻で、正面非貫通で、乗務員室は片運転台構造です。側面は2扉車で扉間に9組の側窓が配置されています。実は、わかっているのはここまでで、実車を見たこともありません。唯一モ830形と編成を組んだ写真が一枚UPされていましたので、実車の情報は画像から探るだけです。いつ頃廃車されたのかもわかりません。台車はブリルMCBタイプのようです。

名鉄ク2080形PDF図面 A4 1/120


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