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南海電気鉄道モハ11001形3等電動制御車です。南海電気鉄道は長い間戦前の南海鉄道時代に製造された電9号形(モハ301形後、2001形)が大阪〜和歌山間の特急、急行運用についていましたが、新性能化の先陣を切って新車化するため、モハ11001形が製造されました。車体形状は車体長20000mm、車体幅2700mmで、正面貫通路貫通幌付きで、片運転台、連結面は切妻の、ノーシル、ノーヘッダの高抗張力綱車体ですが、雨樋付きで、小型一段窓と共に、旧型車のデザインを踏襲した車体となりました。車内はシートピッチ905mmの全席転換クロスシートになっています。走行機器は日本で初めて中空軸平行カルダン駆動を採用しましたが、当時大型の電動機を製造出来なかったので、全車電動車で登場しました。第一次車は、8両製造され、特急用として投入され、新性能車として、乗客に好評であったため、さらに増備されることとなり、第二次車が製造されました。第二次車は、正面貫通路、貫通幌付きは変わりませんが、正面窓及び側窓高さがモハ2000形第三次車並に930mmに広げられた2段窓となっため、軽快なスタイルとなり、車内も明るく、ユニットクーラーも設置された冷房車となり、まさに特急にふさわしい車輌となりました。第二次車では中間電動車も製造され4両編成が基本編成となりました。モハ11001形は特急、急行用として長く活躍しましたが、1500V昇圧に伴い、改造されることとなりましたが、電気機器は600V専用で、使用出来ないため、新たに制御機器だけでなく、主電動機、台車も交換され、145Kwの大出力電動機となったため、基本編成はMT比率1:1の6両編成となり型式も1000形となりました。改造に際しては奇数番車は電動車として、偶数番車は付随車となり、3M3T編成となりました。1000形はその後も特急、急行用として使用されましたが、寄る年波には勝てず、10000形の登場により逐次引退消滅しました。偶数番車は制御化され、連結面側に便所が取り付けられました。図面上段は第二次車、下段は第一次車の姿です。
実車の第一次車はほぼ図面と同一のデザインで8両製造され、第二次車は、側窓は第一次車と変わりませんが、正面非貫通2枚窓のいわゆる湘南タイプで製造され、側面は張げ屋根となり、幾分近代的なスタイルとなりました。昇圧に際しては、第二次車のみが1000形に改造され、その後冷房化も実施されました。長く四国連絡特急などに使用されましたが、10000系サザン登場により廃車されました。第一次車と同時期にモハ2000形の機器を活用し、車体のみ11001形と同型を使用したモハ12001形も製造されましたが、電気系統が全く違う旧形のため、11001形と併結して使用されず、独立して使用されました。
南海11001形PDF図面 A4 1/120
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