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鉄道省クハ68000形3等付随制御車
鉄道省モハ51系のクハ68000形3等付随制御車です。関西圏京都電化に伴い京阪神緩行用モハ42系の増備車としてモハ51形と共に製造されました。車体はモハ51形とほぼ同型の3扉車で、車体長19350mm、車体幅2805mmで、室内は扉間にシートピッチ900mmの4組の転換クロスシートを含む8組、車端部にシートピッチ1800mmの固定クロスシート1組、反対側に便所が設置されています。便所出入口は反対側座席の乗客への臭気を防ぐために乗降扉側向きに設置されています。外観はモハ51形と同様に、製造時期によって雨樋、シルヘッダ付き車、シルヘッダ付き、張上屋根車、ノーシル・ノーヘッダ、張り上げ屋根車、また前照灯も、取付式、砲弾形、埋込形が採用されています。クハ68形は首都圏口には投入されず、関西口に集中的に投入され、モハ51形、モハ54形と組んで、主として京阪神緩行用として使用されました。戦争の激化に伴い、空襲による車両の相次ぐ被害で列車本数が減少したため混雑が激化したため、一部の車両はロングシート化され、末期にはクロスシートを取り外しただけの車両も現れました。戦後の復興期にはクロスシートも復活し、戦前の姿に戻りましたが、各部に老朽化、陳腐化が目立ってきたため、モハ51系各型式と同様に更新修繕時に、リベットの撤去、窓枠のアルミサッシュ化、雨樋の金属化、室内の全金属化、モケットの張り替え、乗降扉の金属化、グローブベンチレータ化等、台車のころがり軸受け化等の大幅な改造が行われました。しかし、近代化改造をしたものの寄る年波には勝てず、新性能車の投入に伴い、地方線区に転出、地方ローカルとして終焉まで活躍しました。
実車は車体外観は図面とほぼ同じですが、室内のクロスシートはシートピッチ1400mmとかなり狭めでしたが、京阪神の緩行用として戦前戦後に活躍しました。戦時中には一時ロングシート化されクハ55形に編入さえていた時期もあります。地方転出に際しては、中部地区、新潟地区で、モハ70形の付随制御車として地方電車化に貢献した車両もあります。宇部線、飯田線、大糸線で終焉の地を迎えました。図面上段は張上屋根、シルヘッダ付き砲弾型前照灯車、下段は張り上げ屋根、シルヘッダーリベット付き砲弾型前照灯車です。
鉄道省クハ68000形PDF図面 A4 1/120
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