10年以上も前に知り合いの方からいただいた「昔々のチラシ」をなにげなく見ていたところ見覚えのある名前を発見した。このチラシは、昭和9年に川之江と阿波池田間に省営バス(国鉄バス→JRバス)が開通した時に印刷されたもので、うらおもて両面に地図やバスの時刻表、商工業者名などが印刷されている。
さて、左の写真の商工業者名が書かれているほうの赤枠内に「縫箔業 山下茂太郎商店」とある。(赤枠をクリックすると拡大します。)裏面を見てみるとそれぞれの店の所在地が記されてある。そこで、「縫箔業 山下茂太郎商店」を捜してみると今の信用金庫の近く、新町に山下商店というのが見つかった。このチラシには他に山下という店は載っていないのでここが「縫箔業 山下茂太郎商店」だと確信した。(赤枠をクリックすると拡大します。)
伊吹島の南部太鼓台の「雑費控帳」によると、大正15年に”伊予宇摩郡川之江町 山下茂太郎”商店でトンボ スミ房等の修理をしたとの記述があるのを見たことがあるので、山下茂太郎縫師は川之江町に住んでいたんだなとおぼろげには思っていたのだが、こんな町のどまんなか(昔の繁華街)に店をかまえていたとは。この場所は、昔より秋祭りの宮入りのコースになっているので秋祭り最終日の17日(昭和36年までは10月17日)には店の前はさぞかし賑わっていたことと思われる。 |