*初めから余談
永大(学研)製品の工作が相次いでいますが・・・はっきり言ってこれはOKIの影響です。
もともと私は永大製品には全く興味が無かったのに、何かに付けてOKIが絶賛するもので・・・
たまたま中古模型ショップでED75を見つけて、購入したのがきっかけになりました。
味のある走り(購入した当初の走りは酷いものでしたが・・・徹底清掃で復活)と、
当時にしては素晴らしいボディのディテールを見て、「こりゃ、なかなかいいのでは?」と感じ、
その後もう1両のED75を購入、EF651000とEF60も購入することになったのです。
ただ・・・永大製品の弱点もあります。
貧弱なスカート、平面性の悪い前面窓ガラス、非実感的なパンタグラフなどでしょう。
既にEF651000、EF60の工作も紹介しましたが、今回はED75の例も紹介することにしました。
ただ、工作自体に難しい点はないので、もし永大のED75をお持ちの方には、お奨めの工作です。
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なんとなくアンバランスな感じがする・・・
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左が製品オリジナルの状態、右が改造後。どこをどうしたか、全てわかりますか?
*パンタグラフ
全体の印象を大きくスポイルしている要因のひとつは、武骨で非実感的なパンタでしょう。
当時のKATOやTOMIXに比べると、シューの部分も金属にしているとか、関節部分が太いとか、
パンタ土台部分の樹脂モールドが甘い・・・といったところが原因だと思います。
・・・なのでまず、このパンタグラフを交換してみることにしました。
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まずはこのパンタを・・・
いつもならKATO製のパンタを使用するところですが、
たまたまKATOのED75用パンタのASSYパーツは、品切れでした・・・・
なので在庫のあったTOMIXのED75用を買い求め、利用してみたのです。
すると・・・KATO製に比べ、細めにできているTOMIXのパンタは、
結果としてかなりの見た目改善になったようです。
ただ、脚の穴を4箇所開けるのは面倒で・・・・いい加減にやったら、ちょっとずれてしまいましたけど(^-^;
また、モールドされていた信号炎管を削り取り、TOMIXのEF63用を付けてみたのですが、
しかし、KATOのASSYパーツを見慣れた目からすると・・・この信号炎管は小さすぎる印象です。
これはKATO製にしておいた方がよかったかも。。。。
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TOMIX製パンタとTOMIX製EF63用信号炎管
*スカート
ここが永大製品の(見た目での)最大の弱点だと感じるところです。
当時のKATO製品はスカートとカプラーが台車と一体となる「首振りスカート」でした。
それに対して永大はスカート固定式にしましたが・・・・
でも、カプラーを台車に固定したため、カーブでカプラーが干渉しないよう、
スカートに大きな欠き取りがあるのです。
スノープロウも省略されているし、上下寸法もどう見ても短いため、
前面の見た目がかなり実機から離れた印象になってしまっているのです。
そこで・・・いつものKATOのASSYパーツの登場。
ED75用のカプラーセットを購入し、ボディ前端と動力ダイカストの
隙間に挟み込むという方法
で、
いつもどおりスカートの交換をしてみました。
永大製品の台車は簡単に取りはずせ、
台車に固定されているカプラーは、カッターで簡単に切り落とすことができます。
なので加工自体は極めて簡単です。
但しダイカストとボディの隙間が大きめで・・・プラ板を貼って挟みこむ部分の調整が必要でした。
この作例では、まだ、きちんとはまっていないようで・・・
装着した際のスカート位置が、ちょっと下すぎるかもしれません。
また、今回は見送っていますが、永大の台車は不自然な濃いグレーになっているので、
ついでに艶消し黒を吹き付けておくといいでしょうね。
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左:KATO製ED75用スカートを改造
右:台車に固定しているアーノルトカプラーをカット(左が加工後)
*前面窓ガラス
OKIがEF71で紹介した、TOMIXのED75用の窓ガラスを用いた
前面窓ガラス交換
。
・・・これを私もやってみました。
用いたのは同じく、TOMIのED75用前面窓ガラスパーツです。
(TOMIXの分配パーツとして入手は容易だと思います)
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TOMIXのED75用前面ガラスパーツ
永大ロコの分解方法は、OKIの
Happy Birthday To Me・・・ED7543の製作
を参照してください。
ボディと下回りが分離できたら、窓ガラスを前面から奥に押すようにして外します。
その際、片側のガラスパーツは割れてしまいましたが・・・気にしない、気にしない。
ここで永大のED75のボディにTOMIXのED75窓ガラスをあてがってみても、
そのままではまるで入らないことがわかりました。
そこで左右の前面窓、貫通扉窓の3つの部分に切り出します。
TOMIXのパーツでは運転席の側面窓も一体となっていますが、
加工を簡単にするため、そこは元の製品のパーツを活かし、前面部分だけを用いることにしています。
3つに分割した前面窓ガラスは、切断面をきれいに削って仕上げれば、見事に収まってくれました。
窓ガラスの固定は、ゴム系接着剤を用いました。
そしてボディを組み上げる前に、この前面窓から見える部分のダイカストを、黒く塗装しておきました。
いつもながら永大のダイカストは、黒っぽい色が部分的に剥げていて、
窓から見える部分の透明度が上がるとみすぼらしさも目だってしまうので・・・
ここをきれいな黒にしておくという効果は、意外と大きいですよ。
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左写真:前面は3分割しました。運転席側面は永大のパーツのままです。
右写真:運転席から見える部分を黒く塗りました
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手前が加工済み。あ・・・パンタが曲がってる(^-^;
果たして!・・・この窓ガラス交換の効果も、かなりのものがありました。
永大製の窓ガラスは平面性が悪いばかりでなく、ボディから飛び出していて、
なおかつHゴム部分が塗装されていないため・・・窓の部分が妙に浮いています。
それだけで印象をかなり悪くしていたのです。
しかしそこをTOMIX製に交換すると、ED75らしさが一気に出てくるから不思議。
今まで気がつかなかった他のディテールの素晴らしさも、改めて気づいた次第です。
実は永大のボディに対してTOMIXの窓ガラスが若干緩いようで、良く見ると隙間が気になりますが。
また、耐寒型特有のデフロスターの表現がありませんが・・・
そこは後で銀河のパーツを使うことにしましょう。
*完成
これらの簡単な改造で、永大ED75の印象は一変、とてもいい感じになります。
パンタ、スカート、窓ガラスという、弱点だった部品を実感的な近年の他社パーツに交換することで、
もともとかなり正確だった、永大のボディ設計が生きてきたと言えるでしょう。
とは言え・・・当時の製品のアンバランスさは、それはそれで味があるものです。
なので未改造のもう1両は、そのままの形で全く手を加えず、保存しておこうとは思っていますけどね。。。
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アンバランスさを一掃!