その1:まずは特急色のスカート交換
永大が設計したものの、発売前に倒産してしまい、学研ブランドで販売されることになったたEF60。
その学研もNゲージから撤退した今、この製品を覚えている方も少なくなったと思いますが、
OKIのように、一部にはかなり根強いファンも、未だにいるようです。
(詳しくはOKIの、
EF60の比較・・・やっぱ学研
参照)
対して・・・私はこの製品には特に思い入れはありませんでしたが、
たまたま中古模型ショップで美品を発見、手に入れてしまったのです。
しかも!これが、走らせた形跡が全く無い、かなり綺麗な状態だったので、
このまま記念としてに残しておくことも考えましたが・・・
どうしても、前面スカートが貧弱なのが気に入りません。。。。
上下寸法が短い上に、カプラー開口部が大きいため、
ボディサイズに比べてスカートが小さく見え、アンバランスなのです。
そこで・・・結局、いつもどおり、KATOのASSYパーツに交換することにしました。
改造は10分で終わるはずでしたが・・・ちょっとだけ工夫が必要だったので、まずはそれをご紹介しましょう。
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左:学研製オリジナルの姿
右:KATO製スカート(ASSYパーツ)に交換後
改造方法は、スカート側は
KATO製旧動力電機のスカート固定化
に書いたとおりです。
学研(永大)電機の分解方法は、OKIの
Happy Birthday To Me・・・ED7543の製作
に書いてあります。
最初は結構苦労しますが、コツさえ掴めば簡単に分解できると思います。
しかも学研(永大)のスカートは、床下ダイカストに緩くはまっているだけなので、
簡単に取り外すことができます。
また、台車にマウントされたカプラーは、カッターをちょっと当てれば簡単に折り取ることができます。
そして代わりに、KATOのEF60特急色用スカート(ASSYパーツ)を加工して取り付けて完了!
・・・・・のはずでしたが、予想以上に床下部分と前面との隙間が大きかったのです。
このため、そのままでは、緩くてスカートが抜け落ちてしまいました。。。
ならば!・・・加工したスカートの挟みこむ部分にプラ片を接着して厚みを増やせばいい!ということで、
適当なプラ片を接着し、隙間にぴったり収まるように整形してみました。
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左写真:下回りと車体前端との隙間の幅が・・・・KATOに比べるとかなり大きいです。
(台車にマウントされていたカプラーはカットしています)
右写真:右がASSYパーツを加工したいつもの状態。このままでは厚みが不足しました。
(わかりづらいですが)左のように適当なプラ片を貼ってみました。
これで無事固定できるようになりました。
しかし・・・ここでもうひとつの事実が判明します。
KATOのEF60は、長さが実物より長いだけではなく、車体幅も学研製よりも大きいのではないかということ。
なのでKATOのASSYパーツでは、車体よりちょっとはみ出し気味になってしまうんです。。。(^-^;
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左写真:製品オリジナル状態。スカートの上下寸法が短めで、スノープロウがありません。
右写真:KATO製スカート交換後。スカートが前面より少し出ています。。。
スカートと車体の曲面が合っていないので、さらに加工しても、ぴったりにするのは難しいかも。
ここではスノープロウ付のままにしていますが、
KATOのASSYパーツは、ATS車上子をスノープロウと交換することもできます。
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でも、ボディからスカートが多少はみ出たとしても、そんなことを忘れさせてくれるほど、
パーツ交換による見た目を改善する効果がありました。
製品オリジナルスカートに感じられた「ひ弱な」雰囲気が、見事に消えるのは不思議。。。
特に上写真のような、斜め前方から見たときのかっこよさは格別なんです。
近年の製品である、実感的なカプラーセットの装着にも耐え得る「永大のボディ設計の凄さ」を、
OKI同様、私も実感させられることになった次第です。
その2:スカート固定位置変更とテールランプ加工
とりあえずスカートを交換しただけでも充分に「いい感じ」だったので、
しばらくはこのままでいいかなと思ったのもつかの間・・・・
やはり前方に出っ張っているスカートの位置だけは改善しくなり、早速手直しをすることにしました。
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前側に厚くしたスカート
細工は簡単です。
スカートの位置を後ろに下げればよいので、挟みこむ部分の「前側」(車端側)を厚くしたのです。
もちろん、後側をそのぶん削らないと、厚くなったぶんだけ挟みこめません。
現物あわせで厚みを調整しました。
果たして!その効果は抜群でした!
スカートが車端より引っ込んで、さらに実感的になったのです。
ところがそれがうまくいくと・・・次は「テールランプをどうにかしたい」という思うようになってしまいました。
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上下写真とも、右が再加工後です。スカート位置が車端より引っ込んだことがわかるでしょうか?
学研EF60のテールランプは、モールドでボディと一体表現されています。
しかもそれがボディ色のままになっているので、なんとも冴えない表情になっています。
ここに赤い塗料を塗った個体もたまに見かけますが、ほぼ例外なくはみだしているんですよね。。。
なので今回は、このモールド中心をピンバイスで穴開けし、
銀河モデル製のテールランプを入れることにしました。
なにぶんモールドは膨らんでいるので、中心を出すのが難しく・・・
結果、ちょっとずれたような気もしますが・・・
今まで白目をむいていたような感じだったものに、
目が入ると実に生き生きとした顔つきになったのには、驚きました。
テールレンズを固定する際にボディを外したので、
ついでに動力のダイカストを艶消し黒スプレーで塗ってみました。
というのも、窓から見えるダイカストが「傷だらけ」で汚らしく見えたので・・・
この効果も意外と大きく、正面窓や側面窓周りが引き締まった気がします。
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左が製品オリジナル(再掲)、右が2度にわたる改造後。
ここまで見栄えが激変するとは、予想以上の効果です。窓の中が黒くなったのにも注意。
そして最後に・・・・実車どおりスノープロウをATS車上子に交換し、
屋根上の信号炎管のモールドを削ってKATOのASSYパーツを装着しました。
ここまでやると、パンタグラフ以外はKATO製品と並べてもひけをとりません。
とは言え、そのパンタは、なかなか味のある形状をしていると思うので、このまま交換しないつもりです。
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オリジナルのままのパンタ(信号炎管交換前)
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2度目の完成。
以上、比較的簡単な工作で、発売当時は顔つきが気に入らず見向きもしなかった学研製EF60を、
今でも通用するような外見に変更することができました。
OKIが絶賛してやまない学研60、私も好きになってしまいました。
それとともに、一般色も手に入れて、同様の改造をしたくなった次第です。。。
その3:一般色のパンタ加工
ということで、ネットオークションで、学研EF60の一般色も手に入れました。
しかし残念な事に・・・この個体、パンタがひとつ壊れていたのです。
そこでパンタ台は学研(永大)オリジナルのものをそのまま残し、
パンタ本体を他社のものに交換することにしました。
当時のKATOのパンタ(PS16 Aタイプ)はスケールより幅広いので、他社パンタ台に流用はできませんが、
永大やTOMIXはスケールに忠実なので、両者間での交換が可能なはずです。
(KATOでも、スケールどおりとなったPS16 Bタイプであれば、交換可能)
ジャンクボックスを漁ってみると・・・おお!都合のよいことにTOMIXのEF62のパンタが余っています。
以前、KATOのパンタに交換したための余剰品です。
早速これをパンタ台と本体に分解し、本体だけ学研(永大)のパンタ台に装着してみました。
すると、予想以上に簡単に組み合わさったのです!
尚、パンタ台を屋根に固定したままでの交換も可能ですが、
ボディを動力から外し、屋根の裏から押して、パンタを外した方が効率よくできます。
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左写真:学研(永大)オリジナルパンタの特急色
右写真:パンタ台はそのまま使い、本体をTOMIXに交換した一般色
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TOMIXパンタの方が、たたんだ状態のフォルムも綺麗
この結果は写真のとおり!・・・・武骨な学研(永大)のパンタは、それはそれで味のあるものですが、
それよりも設計の新しいTOMIXのパンタは、さすがに繊細で綺麗です。
しかも板バネを外してもきっちりと上がるし、たたんだときのフォルムも綺麗でした。
私はTOMIXのパンタが華奢なのが嫌いで、かつてEF62のパンタをKATO製に交換したのですが、
それがこのように活用できるとは・・・皮肉なものですね。
たったこれだけのことですが、このややくたびれたEF60が新しくみえてくるから不思議です。
永大や学研の旧製品のパンタが壊れたとき、この方法は簡単で効果があると思います。
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パンタ本体交換、KATOカプラーアダプター装着
その4:一般色の下周りを落ち着かせる
学研(永大)の台車も、TOMIX製品と同様、取り外しと分解が簡単にできます。
なのでギラギラして目立つ車輪を取り外し、その輪心にエナメル塗料の艶消し黒を塗ってみました。
かつて永大のEF65PFでも試した事がありますが、EF60やEF65の台車は車輪がよく見えるので、
このような旧製品には、これだけのことでもなかなか効果的で、下周りがぐっと落ち着きます。
同時に・・・変なグレーになっている、永大特有の台車も塗れば、尚実感的になることでしょう。
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写真だと判りづらいですが・・・輪心が黒い右の一般型の方が落ち着きます
続いて、スカート周りの加工です。
特急色のときはKATOのASSYパーツを奢りましたが、
一般色は、オリジナルのスカートを活かすことに挑戦してみました。
当時のKATO製品は、スカートが台車とともに首を振る構造でした。
永大はそれよりは実感的とは言え、現代の基準から見ればスカートの開口部が大きすぎます。
カプラーを台車マウントとしている構造では仕方ないのですが、
逆に言えば・・・カプラーをスカートマウントにしてしまえば、開口部を小さく出来るのです。
そこで、KATOのASSYパーツ、「ATS車上子」を使うことにしました。
これをスカートの裏に貼りつけ、KATOカプラーアダプターを装着するのです。
ただ、改造にあまり自信がなかったため、まず片側だけやってみることにしました。
スカートの開口部には、プラ板の小片を貼りつけて、開口部を加工して小さくしました。
開口部の大きさは、スカートにカプラーがマウントされたKATOの最近の製品と同じにしてあります。
プラ板を追加した部分も含め、全体を艶消し灰色に塗装してみると・・・
ほほぅ、これだけでも結構いい感じで・・・なんだかEF60「らしく」見えてきます。
さて・・・続いて台車のアーノルトカプラーとそのポケット部分をカッターで切断します。
そしてATS車上子」(ASSYパーツ)を、スカートの裏から貼りつけました。
ここは出来る限り瞬間接着剤を流し、がっちりと固めておきました。
そしてKATOカプラーアダプターを装着すると・・・
ATS車上子には誘導員用ステップも付いているので、
上下寸法が短くて貧弱だった学研スカートの違和感も、ずいぶんと低減させることができました。
尚、もう片エンドは、永大のカプラーポケット内にある棒に装着するという、
既に永大のキハ58で行った方法で、KATOカプラーアダプターを装着してありますが、
いずれは両側ともカプラーのスカートマウント化をしようと思っています。
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左がスカートを加工したエンドで、右がカプラーのみ交換したエンドです。
スカート開口部を小さくするだけで、途端にEF60の顔つきになってくるから不思議です。
あ・・・擦り切れた銀帯と色のない標識灯も改善しなきゃね!
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パンタ、下周りのちょっとした工作で、いい感じに!