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(2004年7月10日)
1970年後半、KATOがPF型を発売すると、そのすっきりとした芸術品に驚嘆します。
EF57、58と発売された後の作品で、新型電機としては70、65500番台に続く3作目。
・・・EF66が前だったかな?
ただディテールを作りこんでいるのではなく、すっきりとかっちりとしたその造形に、
自作では決して作りきれない、芸術を感じたものです。\(◎o◎)/!
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通っていた高校の近くの模型屋で発売を確認した時、
ケースに入ったままショーウィンドウに、こんな風に飾られていた。。
今から見れば普通に思えるクリーム部分の別パーツ化も、
当時は驚きに値する手法で、購入した事に喜びを与える作品でした。
別項にも書きましたが、当時の私は子供の科学の別冊、
科学教材社刊の「Nゲージ」という書誌に影響され、
500番台を改造した自分だけの1000番台を完成させつつありました。
本の内容は500番台の製品の正面に柱を立て、貫通扉を取り付けるというものでしたが、
途中で実機に限りなく近づけようと、
①屋根を延長。。正面を平らにする。
②ヘッドライトの掻き取り表現したヒサシを0.3mmのプラ板で作り、
芋付け接着後0.15mmくらいに薄く削る。
③前面ステップを付ける。
④屋上に扇風機カバーと避雷器の周りに配管する。
⑤側面乗務員扉の前のはしごを修正する。
⑥小さい方の屋根上モニターを実機どおりの形とし、高圧配管を設ける。
⑦台車はEF70用の流用をEF65PF専用に改造する。
こんな感じで自分なりに・・・・
寸法などは実機の写真を見比べながら目測し、
貫通扉の取っ手は髪の毛の一番太い物を使い表現したものです(^^ゞ!!
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自作した貫通扉の残骸。
完成したときは塗装がボテボテで・・・物凄いものがあったかと思いますが、
ヒサシに儲けた掻き取りから漏れる光が、正面窓ガラスのHゴムを照らすところ等、
発狂するような喜びを与えてくれました\(^0^)o(^0^)/!。
しかし塗装時マスキングをはがすと細いクリームのラインが剥がれてしまった事や、
新設した貫通扉の窓とその横の柱の部分にHゴムの表現が無い、などの不満が残り、
手直しをしているうちに・・・前述のようにKATOが芸術のような作品を発表してしまったのでした。
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当時のKATO製品は、西暦2000年を過ぎた今も色褪せない。
KATO製EF651000。。。。
是非1輌手にしたい。。。。
どこで買ったか思い出せませんが、買って帰ると自分が作りこもうとした部分は
全て作りこんであります。まして自分が作り込みを断念した高くそびえるランボードの足が、
強烈にPFを主張します。
しかし・・・・
・扇風機カバーが実機と異なり幅が狭い。
・前面ガラスのHゴムが窓ガラスに表現され、若干奥まっている為、
せっかく表現されたひさしの掻き取りから漏れる光に照らされない。
等の贅沢な不満が湧き出てきます。
この部分は自作した自分の作品のほうが上だ!
なんて強制的に勝ち誇ったかのよう、優越感と共に複雑な感覚に終始するのです。(-_-;)
こんな自己満足の世界はすぐに現実に戻されます。
自作車輌に関しては追い討ちを掛け、せっかく力を入れて仕上げた薄いひさしが折れた事で、
この作品は無情にも若く狭い心の己の手により、葬られる道を歩むのでした・・・・(ToT)/~~~
自分の作品が後に残した物は、実機の写真と見比べて作りこんだ頭の中の記憶。
この記憶が「扇風機カバーの形状」と「斜めから見た前面の窓の感じ」を、
どうしても許せません。。。。。
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左)ひさしでHゴムの上面部分を隠すとPFの顔になりますが。。。。。
右)塗色の境界と窓ガラスの上部の間が広く、窓ガラスが引っ込んでいます。
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扇風機カバーは車体側に付き、改造するには大仕事になります。
しかも実物より小ぶりに成型されている感じがモデル全体を非常にスマートに見せます。
実際、別の項でも触れたようにKATOには二つの形状の扇風機カバーの車体が存在し、
(記事を読んで頂いた方からのメールで、当時販売もされていた事も教えて頂きました。
有り難う御座いました。)
この部分にかなりの検討があったのではと想像させられ、
時間が経つに連れKATOマジックに実機もこの形なんだと、思わされて来るようになりました。
但し、実機は車体からこぼれるほどに見える前面窓ガラスは引っ込んで見え、
正面から見ると凄くPFを主張しているのに斜めから見ると拍子抜けします。
窓の位置も上面は低く下面は前面手摺との感覚が非常に窮屈。。。
この形状だけは必ず修正したい。。。。。。<m(__)m>
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写真左の角度の窓の引っ込みは高さ不足とはいえ、許せるが・・
写真右の角度から見た引っ込み具合が許せない。。。
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同じ角度で全体を写すと。。。やはり許せない。
しかし上から見下ろすと不足している窓の高さが見えないので、とてもかっこいい。
都合の良い事にその部分はクリームの別パーツではないか!!
これはHゴムを車体側に表現しよう!!
しかしこの奮い立つ感情は・・・・今になって考えると何故真鍮線を使わなかったのか?
古着から出てきたナイロン製の細い繊維を使用したところ、直線も出せず波打ち、
大変な物を作ってしまって・・・断念させらる事になり大変な失望感を味わいます。(ーー;
その後いくら時がたっても・・・眺めれば眺めるほど前面ガラスが許せません。
数年後のある時、ひとつのジャンク車体が目に留まりました。
ヒサシを抜かれ、片方の前面をTOMIX製のEF64の改造の為に切り取られた、
KATO製ED75耐寒型の車体でした。
この車体に残っているHゴムを切り継ごう!!
今から考えると良くできた貫通型の部位を使用するわけですから、
大変ナイスでGOODな思いつきと思いますが、
実際に写真のように切り継ぐことには成功したと言わせてください。(●^o^●)
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切り継ぎが終わったパーツ(今回の主役)
作業としては
①ED75の前面Hゴムのみの切り出し、削りだし。
②緩やかなED75に対して65の角は鋭角な為、
不足する角の部分にプラバンの付け足しと形の修正。
③EF65車体側のひさし下の部位をひさしのモールドギリギリまで拡張。
(ここまで削ると削りだしたED75のHゴムがすんなり入っていきます。
自分の視覚が間違いない事が判明し、天にも上る気持ちになります。)
④貫通扉のHゴムは小さく削りだす気になれず、ED75の物をマスキングゾルで型取り、
エポキシ接着剤で成型しました。
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リニューアルボディに装着してみました。
ガラスさえしっかり入れば、いい感じでないかと・・・・オリジナルと比較してみてください
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この角度から見るとあまり変わり映えしないです。。。
しかし現状ではここで力尽き・・・その後は問題と時間ばかりが経過しました。
・窓ガラスをどうするか?
・窓ガラスのコーナーにある、「柱」の表現はどうするか?
HOサイズでは、この部分は各メーカーともユーザー取り付けの別パーツとしているようですが、
Nの世界では、塗装工程重視の平らな表現になっています。
唯一表現されていたのは永大のEF75くらい。。。
最後に、
・反対側のパーツをもう一つ作る。
・・・・・って、既に種車も気力もありません。。。。
時間の経過は、「リニューアル」という形でよりグレードを上げた製品で改良されていきます。
・動力の改良で走行機能の拡大な向上。
・スカートの車体マウント。
・避雷器の別パーツ化。
・車上アンテナ(こいつはユーザー選択にしてくれ〜!)
・パンタ上昇機構の板バネ廃止。
・・・・・etc.
ちなみに、細かい事ですが、リニューアル車体は金型の見直しがあったようです。
旧製品に対し、一見何の変化もないように見えますが、
貫通扉には若干のディテールが増されています。
実際に旧車体のクリーム色パーツをリニューアル車体に取り付けると、
はまりはしますが、若干の窮屈さがあるんです。
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左旧製品。右リニューアル品。スカートの車体マウントは効果的
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左、リニューアル品にはヘッドマーク取付金具の表現。右、旧には無し
しかし、窓ガラスだけは発売当時のまま。
複雑な気持ちでリニューアル品を眺めざるを得ず、
いつの日か自分色のPFを完成させ、超自己満足を味わいたいと、
心ばかりが焦り、時間ばかりが経つのです。
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柱をどうやって表現しようかな?銀河さんパーツ化してくれませんか?
Hゴムが車体から浮き出ているので、かなりPFしてます!!
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正にPFの顔!・・・と少し早いですが20年間自己満するフォルムです。。。(^o^ゞ