ローカル駅セクション
その1
*プロローグ
OKIの車輌紹介で紹介したように、
・貧弱な台車の造形で腰高に見えるバランスの悪さ
・HゴムのRがきつく暗い色で目立たないため、捻じれて収まっているかのような窓ガラス
たったこの二つの要因が不出来なデッキ周りを数倍酷く見せ、極端に品質を落としているのではと思います。
しかし良く見ると、屋上や側面エアーフィルター等は大変良く出来ている・・・
「しかもテールランプだって点灯するんだぜ」っ・・・と何故か見にくい顔が得意げに・・・
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正面窓ガラスをしっかりさせればグッと男前になりそう?
高額とは言え、こんなマイナーな機種を製品化した事だけでも凄いのに、
たった二つの配慮の無さが全てを無駄にしている。
(他社の昔の製品は、当時の技術のためかもっと酷い物もあり、
この部分を仕上げるのは、業界にとって大変な事なのかも知れませんが・・・)
自分の記憶にはほとんど残っていない蒸機の勇姿。
その勇姿を捻じ曲げて(?)いるかのような、同ブランドのいくつかの製品があります。
9600やE10等の佳作もあるのに・・・「おい!その形態はないでしょ?」と思うものが半数を占めるような。
自分よりさらに接する機会のなかった世代の方には、
その「ちょっと違和感ある模写」が実機のイメージになってしまうのは、あまりにも残念・・・失礼!
さて・・・廃車となった車輌を後世に形として残す、これって模型メーカーの一つの使命でしょ?
多くのアイテムを短期間に製品化するマイクロブランドはその使命に貢献し、
塗装技術・特定編成の商品化等、他社にもその影響を与え、非常に痛快な感がある反面、
(開発費を含めるのか不明ですが・・)比例して跳ね上がる価格設定の見直しと共に、
全ての製品を、要所を煮詰めた形態作りで製品化して欲しい・・・
そんな思いの中、この製品の基礎を眺めていると、前面窓ガラスとデッキ周りをいじりたくなりました。
そこで!
*まずは分解!
マイクロ製品は分解するとどこかが壊れる。。。
LM328iのEF80、EF62、自分のEF61・・・この複数の事実は警戒心を持つには十分すぎて・・・
今回、一番時間の掛かる工程となりました。
・車体を外す
上下方向にして真ん中。
位置は各乗務員ドア後ろ一つ目のエアフィルターの裏辺りの、
側面窓ガラスのパーツに爪が計4箇所成型されています。
爪自体は薄いのですが、動力と車体の間に隙間がない為、思いのほか苦戦しました。
ちなみに動力台車を掴んで車体を外そうとしたLM328iのEF62(青)は、
簡単に動力台車がはずれたものの、動力伝達用のシャフトがダイカストの中に残ってしまい
結局は完全分解して組み立てたそうです。結果ライト点灯せず。。。。
恐ろしや恐ろしや〜〜
こんな事実を聞かされて、ホイホイとは分解できません。
自分は中間台車を掴んで車体裾を片側ずつ広げ外すことにしました。
すると・・・ポロッ!!
中間台車は弾け取れ、それを押し付けるスプリング・ワッシャー類が飛び散り、
危うく落下事故に繋がることとなりました。
中間台車を保持するネジに対して、それをアシストするワッシャーの径が非常に小さく、
中間台車の穴は掛かる力に耐えられず・・・車体のネジ頭をはじき出してしまったのです。
やはりこのメーカーの製品に横着は禁物。
結局先を細くしたプラ板を動力と車体との間に突っ込み、カプラーを持ち上げて分離しました。
動力台車が外れないように。。。。。。
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赤い矢印が車体を保持する爪。
この動力はテールランプのリードの処理が全くの手作り。
車体を外してよく見ると・・・動力を分解すると元の形に戻らないのが一目瞭然。。(大汗)
・ライトパーツを外す。
車体の裏側は運転室内を型取ったライトケースが両端を陣取っています。
隙間無くミッチリと。。。
過去にライトパーツを折った経験から、このパーツを外す際には「接着されてるのでは?」等想像させ、
気が重くなりますが・・・
下に見えるヘッドライトのお尻を、ピンセットで慎重に左右に振る感じで引っ張ってみました。
すると片側に少し隙間ができ、接着の無いことが確認できました。
この確認ができた事でテールライトパーツを外しながらヘッドライトを引っ張る事を繰り返し、
無事にユニットをはずす事が出来たのです。
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車体端にはまり込むライトパーツユニットのアップ。
下に見える透明パーツのヘッドライトのお尻をピンセットで摘み
少し引っ張っては車体と室内パーツの間に鋭いピンセットの先を突っ込んで
左右のテールを慎重に外し・・・・・大汗です!
・窓ガラスパーツを外す。
このパーツは永大製ED75やKATO製153・165・457系やEF81の正面窓ガラスのように、
左右の窓ガラスと貫通扉の窓ガラスが一体成型です。
綿棒を半分に折り、折れた紙の柄の先を押し込んで外すのは当鉄道の常識。
しかし・・・いずれの製品も、気を抜くと折れたり、ヒビが入ったりで、いつもヒヤヒヤ物。
当鉄道では車体との密着性を緩め外れやすくする為に、
車体裏側から窓ガラスをほんの少し押し出してから作業しています。
今回の加工では窓ガラスを分離させる予定なので、そんな工程も無視!
ひびが入ったら入ったで。。。なんて軽い考えでいきなり綿棒の紙製の柄を
使って正面からパーツを押し込むと・・・この素材のよさに驚嘆!
良く「しなり」ヒビが入る恐れも無く、横にずらせば難無く外れてくれました!
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外したライトパーツユニットと窓ガラスパーツ。
なんとか壊れることなく無事に分解。
窓ガラスを見てこれからの構想をいろいろと検討です!!
*さ〜加工で見違える山の男のシェルパーになってくれ!!
(続く・・・)