ひとつの工作記事には成りえない小さな加工。。。それらをまとめて紹介します。
今回は、前回に続いてD51重装備化と、ごく簡単な2例です。
1.KATO製D51の重装備化・・・その続き

前回の加工後の姿
たまたま・・・いつもの中古模型ショップに行ったとき、
ワールド工芸製「D51重装備パーツセット」(未開封)を、定価の1/10(!)で売っていたのです。
スノープロウが欲しかった私、迷わず購入しました。
ところが帰宅して中身を見ると、これがなかなか凄い内容であるばかりでなく、
オマケに銀河のパーツもいくつか入っているじゃないですか!かなり得をしました!
そこで・・・まずは簡単に取り付けられるパーツ選び、追加改造してみました。


精悍な前面
先頭周りは、まず何と言っても「スノープロウ」。
真鍮折り曲げとはんだ付けで、なかなか実感的に作られています。
OKIによれば、「以前自分が買ったものは、中心が出ていなかった」ということでしたが、
そんなことはなく、簡単にゴム系接着剤で貼りつけることができました。
さすがにスノープロウが付くと、前面付近が一気に精悍になるものですね。
その格好よさには、惚れ惚れしてしまいます。
接着面積が小さいので、強度的にはちょっと不安ではありますが。。。
煙室扉下には、「煙室扉ステー」を貼りつけています。
単にリベット表現された1枚の真鍮板ですが。。。よく見れば「ほほぅ」という感じでしょうか。
そしてデフには「点検窓」も付けました。
とは言っても・・・これは、デフに貼りつけて「点検窓があるように見せる」ダミーです。
点検窓表現のされていないD51の初期製品には、意外と効果的なパーツかもしれません。

重油タンクと補助重油タンク
続いてボイラー周り。
既に銀河モデル製の重油タンクを取り付けていたので、
パーツセットに入っている重油タンク本体は使用せず、
エッチング加工された重油タンクの上面だけを使用しました。
銀河モデル製のパーツはホワイトメタルなので、ヤスリでディテールを削り落として平らにして、
ワールド工芸製重油タンクの上面だけを、ゴム系接着剤で貼り付けてみたのです。
ちょっとオーバースケールな感じもありますが、立体的でなかなか迫力がありますね。
また、ランボード上には補助重油タンクも載せてみました。
これは真鍮板折り曲げ済みのパーツですが、強度が不足していたのと、接着面積が小さかったので、
内側にぴったり収まる大きさにプラ板を加工して、それを瞬間接着剤で固定するとともに、
プラ板もろともランボード上にゴム系接着剤で接着しています。
尚、重油タンクと補助重油タンクとの間のパイピングは、今回は見送っています。

最後はテンダーの「増炭被い板」。
折り目に沿って慎重に曲げれば、ほぼ無加工で取り付けられますが・・・・
これってこんなに背が高いものなんでしたっけ?
実車を見た記憶のない私には・・・実はよくわからないのです。
これもゴム系接着剤でテンダー内側に貼り付けました。
ゴム系なので、いざとなったら取り外すことも可能です。
しかし、せっかくここまで背が高いので、石炭をもっと積んだ状態を表現したいところですね。
パーツの塗装は、全て取付後に行いました。
まずシールプライマーを筆塗りし、乾いたらタミヤのエナメルカラーを塗っています。
このパーツセットには、まだまだいろいろなものが入っているので、もうしばらく遊べそうです。

今回の加工後の姿
2.マイテ49旧製品のテール塗装
KATOのマイテ49は1980年代から販売されていて、当初テールライトは点灯しませんでした。
最近の青大将セットなどでは点灯式に改良されていますが、
もともと手すりとデッキの車端に・・・点灯化させるための導光パーツが丸見えとなり、
スッキリとした初期製品の方が、見た目は実感的とも言えます。
但し旧製品のこの部分は、無塗装で一体整形されており、色に関しては非実感的です。
そこでテールライトとその周囲の反射板に、赤を入れることにしました。

テールが無表情。。。
この樹脂は例によって塗装が乗りにくい上、擦れてはがれやすい箇所でもあるので、
小さな部分ではありますが、シールプライマーを塗ってから、タミヤの艶消赤を筆塗りしました。
たったこれだけのことですが、その効果はご覧のとおり。一気に実感的な面構えとなります。
旧製品をお持ちの方は、これは絶対にやるべきですね。

3.キハ20のHゴム加工と墨入れ
最近凝っている、
塗装の削り落としによるHゴム表現
。
KATOのキハ20系にも、試しにやってみました。
キハ20系は、もともと30年以上も前から販売されている製品で、
現代のレベルからすれば、不満点も多くなってきました。
しかしその金型精度は未だに素晴らしく、
オーバーになりがちなHゴムも、控えめに感じよく表現されています。
なので逆に、「削り出し」は慎重に行う必要があります。
特にドア窓のHゴムは全く出っ張っていないし、
前面窓は細かいディテールに挟まれていて・・・カッターを使った削り出しは困難に思われました。
そこで今回は彫刻刀・・・刃の幅が1.5mmの「極細の平刀」を使用しました。
刃を削る面に垂直に立て、スライドさせることで、慎重に削りだしていきました。

Hゴムが灰色になったのが、かろうじてわかります
なんとか全ての削り出しは成功しましたが・・・残念だったのは、全く目立たないことです。
ボディ色が薄いので、よく見ないとHゴムの灰色が判らないのです。。。
それでもまだ首都圏色はよい方で、一般色のクリーム部など、全くわかりません。
苦労した割にあまり効果がなかったので、エナメル塗料による墨入れも行ってみました。
まず、ドア下部にある小さな窓に黒を入れて、あたかもガラス窓があるように見せます。
これをすることで、この小さな窓のHゴムも引き立ってきます。
さらにドアの溝、前面ディテール付近にエナメルの艶消し黒による薄墨を流し、
ディテールを浮き上がらせておきました。
乾いたらエナメルシンナーを含ませた綿棒で余分を拭き取ります。
「汚す」というよりも、「ディテールを目立たせる」感覚です。
現役で活躍中という雰囲気も出せるので、この薄墨を流すという方法も、これから多用したいと思います。
Hゴムは、相変わらず目立ちませんが・・・

左は未加工のキハ25、右は加工したキハ20