このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
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●御花弘法大師像 | ||||
小幡緑地公園(本園)に隣接する緑ケ丘カンツリークラブ西に座する高さ10m余のコンクリート製弘法大師座像。 一帯の広場、小径には仏足・小仏像等が祀られ花など絶えることなく信仰の篤さが伺える仏教的空間を醸し出しているが現在この地は龍泉寺の管理を離れ一部壊れも目立ち侘びしさもある。 1929年(昭和4)、当時の「瀬戸電気鉄道(株)」が小幡駅より龍泉寺への支線龍泉寺鉄道を計画。龍泉寺・白沢地区に遊園地を造り大いに売り出し、その集客の目玉として守山区を中心とし一部隣接の愛知県春日井市、愛知県尾張旭市にわたる「蓬莱七福神」及び「尾張三大弘法」を組織した。 同弘法は十度花会(じゅうどかかい)言われる参詣行事など行われ当時は地元の遠足コースになるなど多いに賑わっていたと言う。しかし鉄道敷設には至らずその後、瀬戸電気鉄道は1939年(昭和14)名古屋鉄道と合併、瀬戸線となりこれらの霊場巡りは下火となっていった。現在はほぼその活動を停止している。 | ||||
●尾張三大弘法 | ||||
御花弘法大師像は上記「尾張三大弘法」の第一番御花弘法大師として1932年(昭和7)開眼供養され、立像の多い大師像の座像は珍しい。作者は花井探嶺(たんれい・三重県菰野町出身・セメント仏師) 第二番開運大師は当初東寺別院(守山区北山)であったが廃寺となり、満安山良福寺(愛知県尾張旭市印場)に変更された。建立:1931年(昭和6)。台座を含め10m余、三大弘法では唯一の石造。 第三番厄除大師は安生山退養寺(愛知県尾張旭市新居町)で、共に台座を含め高さ10m余の弘法像がある。 ※退養寺の弘法像はこの地方に多くのコンクリート像を創った浅野祥雲氏40歳の時の作品。 建立:1931年(昭和6)。 | ||||
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尾張三大弘法 一番:御花弘法大師像 | 今も変わらず供え物が絶えない | 弘法様裏手の通称弘法道 沢山の野仏が祀られた小径が続く | ||
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尾張三大弘法 二番:良福寺大師像(尾張旭市) | 尾張三大弘法 三番:退養寺大師像(尾張旭市) | |||
●昔話 たららが池の竜神
(龍泉寺) (名古屋市経済局観光貿易課編集「名古屋の伝説」より) 昔々のことです。そのころ、たららが池は大きな池でした。深い池でした。村人たちはたららが池には竜神さんがいらっしゃると信じていました。 ある時、一人のお婆さんがたららが池のふちを通りかかりました。そのお婆さんは大へん信心深い人でした。なにげなくたららが池の水面を見ると、岸近くに古い木ぎれが浮かんでいるのが見えました。もしかしたら仏さまではないかなと、お婆さんはその木ぎれを拾い上げてみました。まっ黒くなっていますが、たしかに仏さまに違いありません。観音さまです。仏さまのお顔の上に馬の顔が刻んであります。馬頭観世音さまです。お婆さんはびっくりしました。これはありがたいことだというので、近くのお百姓さんとともに、池の上の丘の上に小さなお堂を造って、そこにおまつりしました。 それからお婆さんの観音さま参りが始まりました。雨の日も風の日もかかさずお参りしました。近くの村のお百姓さんもお参りしました。そのうちに、誰言うともなく、こんな小さなお堂ではお気の毒だ。みんなでお金を出してもっとりっぱなお堂を建ててさし上げようではないかということになって、大工さんに頼んでお堂を建てることになりました。建てまえがすんで、いよいよ屋根をふくことになりました。屋根ふきさんが一日の仕事をすませました。まだ三分の一もすんでいません。翌日の朝来て見ると不思議なことに屋根が半分以上もふいてあるのです。 「誰だい? ゆうべのうちに屋根をふいたのは?」村の人に尋ねてみてもだれも知りませんでした。その日が終わってもまだ全部ふけませんでした。その翌日、夜もまだ明け切らぬころ、村の神主さんがこの丘にのぼって、何気なく建築中の観音堂を見て、思わず「アッ!」と声をあげました。驚くのもそのはず、観音堂の屋根に一人の美しい少女がいて、しきりに屋根をふいているではありませんか。少女は神主さんの声に、ふり返って神主さんの姿を見ました。と、たちまち少女の姿は屋根から消え失せてしまいました。 しばらくすると、丘の下のたららが池にポチャーンと音がしました。神主さんが丘の上から見下すと、池のまん中に大きな波紋ができて、竜のしっぽがすーっと沈んでいくのが見えました。 観音堂の屋根をふいていたのは、池の竜神さんだったのです。 |
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