このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください



相田みつを 〜わたしの美術館〜


いのちのレンガ                     
     −O先生の講話から−

ある日の<洗心講座>で
O先生がこんな話をされました

「人間の一生は
毎日毎日、一枚ずつのレンガを
積み上げてゆくようなものだ
いのちという自分のレンガを−

レンガを、どこへ置くか、は
自分の好きです
自分のレンガですから
どこへ置いても自分の勝手です
しかし、一度置いてしまったレンガは
もう絶対に動かない
永久に動かすことができない
置いたらそのまま−

きちんと置けば
きちんと置いたまま
だらしなく置けば
だらしなく置いたまま
いいかげんに置けば
いいかげんに置いたまま
もう絶対に動かすことができません
置き代えることはできないのです

そして
いままで積み上げてきたレンガを
私達は具体的に手でさわって
見ることはできません
しかしです−
見えないからといって
レンガを積み上げてきた、という事実は
消えたわけではありません
人間に見えないだけです

そしてまた
昨日まで積み上げてきたレンガの上に
今日のレンガを置くのです
昨日まで置いてきたレンガにつづけて
今日のレンガを置くのです
どんなにまずく積んでしまったレンガでも
昨日(そこ)につづけて積む以外に
今日のレンガの積み場はないのです
まずいからといって
昨日に離して全く別なところに
積むわけにはゆかないのです」
と−

こわい話でした
ところでわたしはどんなレンガを
積み上げてきたのか−
慾望というレンガ
虚栄というレンガ
愛憎というレンガ
うそ偽りというレンガ
喜怒哀楽というレンガ
怠け心というレンガ
それから、自己顕示慾という
始末に負えないレンガ−
見えたらとても恥ずかしくて
到底まともに見ることは
できないでしょう

さて
あなたのレンガは・・・・・・?
出典「しあわせはいつも」(文化出版局)出版


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