このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください



相田みつを 〜わたしの美術館〜


白南風                       

白い南風−と書いて
<しらはえ> と読みます
古い昔のことばです
梅雨明けの風−
という意味です

さわやかな気品のある言葉です
美しい日本語です
わたしの大好きな言葉です

じめじめとつづいた
長い梅雨が
ようやくあがり
カラリと晴れた青空から
さあッと吹いてくる
一陣の風−
それが <しらはえ> です

白南風が吹いて
桃の実は本当に熟すんです
白南風が吹いて
風鈴ははじめて
さえた自分の音色で
鳴るのです

心の中のもやもやを
さらりと消してくれる
浄土からの風
それが <しらはえ> です

昨日までの古い着物を
パッと脱いで
新らしい今日のいのちを
スカッと生きましょう
しらはえ
しらはえ
白南風のように−
出典「じぶんの花を」(文化出版局)出版


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