このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください



相田みつを 〜わたしの美術館〜


花が見ている                  

庭の木蓮が咲きました
白い花です
人間のことばでは表現できぬ
浄らかな白い花です

わたしはいま花の下に立って
木蓮の花を見ています
木蓮の花もわたしを見ています

損だとか得だとか
勝ったとか負けたとか
金が有るとか無いとか
という人間の分別心とは
全くかかわりのない
純白な花のこころで
人間のわたしを見ています

気が小さくて臆病で
そのくせ自己顕示欲だけは
人一倍強い
おまけに美女にも弱い
そしてうそもよく言う
どうしようもない人間のわたしを
木蓮の白い花が見ています
出典「雨の日には・・・・・・」(文化出版局)


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