このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
月下美人 (2000年8月・株A)
たった一晩、それも2、3時間だけ月の光の中で咲く花「月下美人」 陽が落ちてきた夕方、そのつぼみはだんだんと大きくなり、午後8時に花の先端を少し開け、約2時間半かけて満開に。部屋中をユリの花に似た強い香りでいっぱいにして、その1時間半後、徐々に花を下に向け短い花の命は終わった。
今から4、5年前だったろう。テレビや新聞で「月下美人」が咲きました等のニュースを見ていて、「自分で咲かせる事が出来たら、すごいな」と思った私。そんな時に偶然、「月下美人」の苗木を発見。購入し自宅へ帰った。「育て方」の紙に書かれたとうりに鉢と土を用意し、他の植木と同じようにベランダへ。
自宅のベランダには、いくつかの植木がある。今流行の「ガーデニング」の言葉には程遠い植物たちが育っている。コロが家にやって来るよりも前からあるサボテン達、オリヅルランにキダチアロエは花を咲かせて楽しませてくれる。小笠原諸島の父島の方にいただいた島特有の植物は大きくなり、昨年の正月に来た盆栽のような梅の木も元気だ。ただ温室もない環境で、冬にはベランダで越冬する植物達。もちろん「月下美人」も例外ではない。植物を大切に育てている方には怒られそうだが、ベランダの片隅オリヅルランとホンコンカポックの奥に「月下美人」はいつも置かれている。水や肥料も、知識の少ない私が気分しだいで与えている。こんな環境の中、「月下美人」のつぼみを発見。実は過去に2度程「月下美人」は咲いていたのである。ただどちらも咲き終えた後に気がついているので、私は実際の花を見た事がなかった。今回は絶対に見よう!心に決めて毎日の観察が始まった。
植物を毎日、ゆっくりと見るのはたぶん、小学生の夏休みの宿題だった朝顔の「観察日記」以来であろう。8月の上旬につぼみに気づき、だんだんと成長するつぼみを、何度か写真に撮った。
8月12日(土)
葉の途中に出来ていた長さ3センチくらいのつぼみが大きくなり、今は約10センチ。
当初は葉から新しい葉が伸びるのか、花なのかわからない様子だったが、今は完全に花と断言できる程に、先端は花になるような形が出来ている。
8月17日(木)
下を向いていたつぼみが大きく上向きにUターン。
つぼみ自体の重さは、かなりあるらしく、風が吹く度に、つぼみをはじめ、葉や茎が全体的に揺れている。
開花は近そうだ。
8月18日(金) 午後5時
朝方、大きくなってきたつぼみが、夕方見ると開いてきた。
今夜の開花は間違いないようだ。
8月18日(金) 午後8時
もうそろそろ・・・ベランダを見て、花が開いてきた事を確認。
鉢を薄暗い室内へと移し、観察を始めた。
花に鼻を近づけると、ユリの花に似たような、強い香りがする。
8月18日(金) 午後10時
ほぼ満開になったようだ。すでに室内は「月下美人」の香りで満たされている。
大きく広がった花、全体の大きさは20センチ。花の部分は15センチある。
半分興奮気味で、ここまでの開花を見続けた。
感無量というか、なんとも言えない満足感が漂っていた。
戻る |
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |