今までの2頁「老猫1・2」は平成5年10月、元気に遊びまわるコロをビデオに撮ったものです。はじめて買ったビデオカメラで撮ったのはコロでした。しかし、遊んで走って飛び跳ねるコロを収めたのはその1本のテープの最初の5分だけ。まさかこの時にはその後にコロが動けなくなるなんて考えてもいません。
その4年半後に事故は起こります。平成10年3月6日の事です。この頁の写真6枚は、その事故の前後に撮ったものでした。上段左と中央は事故前、上段右と下段の3枚は事故後のコロです。
先日写真の整理をしていると「花」をまとめたアルバムの中から、コロが写っている写真が何枚か出てきました。その日付を見て私は少し驚きます。その中の数枚は転落事故12日前のコロの写真だったのです。
いただいたシクラメンが2年目にもきれいな花を咲かせたので、いただいた方へお知らせしようと花の写真を撮っていると、こたつ布団の上で眠っていたコロは、最初にシクラメンの右側へと顔を出します。偶然にシャッターを押した私。そしてコロは自分が良く写る位置を知っているのかシクラメンの左側に顔を出しました。その時の写真が上段中央の写真です。現像後の写真を見て笑ってしまった記憶が蘇ってきます。上段左の写真は事故の2ヶ月程前にフィルムの残りでコロを撮った写真でした。
その後に起こった事故。顔中血だらけになったコロを写真に残す事だけはどうしてもできません。その時にはもちろん、いつコロに死がやって来るのかはわかりません。しかしその無残な姿のコロにだけは、どうしてもレンズを向ける力が湧かないのです。
だんだんと元気になってくるコロでしたが、命が短い可能性がありました。コロの思い出を少しでも残しておきたい、いつまでもコロと一緒にいたかったのに・・・・・。そんな気持ちが、事故後17日目にはじめてコロへレンズを向けるきっかけとなったのでしょう。顔や前足にはまだ痛々しい傷が残っていますが写真を撮りました。それが上段右と下段左の写真です。(下段中央と右の写真は、事故3ヶ月後のコロです)
子猫の時にはたくさんの写真を撮っていましたが、だんだん大きくなるとコロにレンズを向けることもなくなり、フィルムが残っているからとか現像を早くしたいとかの理由でしかコロを撮りませんでした。
しかし今は違います。コロの姿を残せるのは今しかない。それからは何かある度に、コロにレンズを向ける回数が増えていきました。それは今に至っても変わることはありません。これからもコロを撮り続けていきます。
そしていつの日か、笑ったり涙を浮かべたりしながらこの写真とビデオを見る時がくるのでしょう・・・・・・・。