このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください



感じたこと

 1999年3月4日、待ちに待ったBNR34GT−Rが納車された。32GT−Rからの乗り換えの為、車両感覚にも慣れて自由に運転をしていた或日、ひとつの思いが私の中に芽生えていた。その芽はどんどんと成長し、いつのまにか大きく成長していた。
 その思いとは、GT−Rの運転がおもしろくない、いや正しく言えば、おもしろくなくなったと言う事だった。

 今でも、良い車は?と言われれば、GT−Rと答えるであろう。確かに良い車である事は間違いが無い。日本車としては、決して安くはない価格だが、あの価格であれだけの性能の車は逆に言えば安いだろうし、何度もあの性能に助けられてもいる。夜の峠道、ある程度のスピードを超えてカーブを曲がると後輪が滑り出していく。本来ハンドリングなどで車を立て直さないと大変な事となるが、GT−Rの場合、単純にアクセルを踏めば瞬時に前輪に駆動が加わり、前に加速していく、すると後輪の滑りは収まる。高速道路での加速にも充分な満足度がある。アクセルを踏み込んだ瞬間、直列6気筒エンジンと2個のタービンの回転音と同時に体がシートに押しつけられる、メータを振り切るスピードでもその加速に変わりは無い。市販車としては初めてのディフューザーの効果もあいまって、高速での走行も難なくこなせる。ステアリングをはじめアクセル、ブレーキペダルから感じられる路面状況もわかりやすい。ブレンボのブレーキの性能もとても素晴らしい。乗り心地は悪いのだが、私にとっては問題がなく、街中を走っていると注目して頂く事もあり、満足度はかなり高いのだが、それでもおもしろくなくなっていた。

 まず第一に私があまりスピードを出さなくなった事があげられる。もしものときのリスクを考えるようになったのか、無茶をしなくなった。と同時に、34GT−Rがかなり完成した車になった事も理由の一つだと思う。以前番組でレーサーの方が、プロの運転を妨げるエレクトリックデバイスが嫌いと言っていた。私がそのレベルで運転しているとは間違っても言えないが、確かに32GT−Rと比べてもその旨は強くなっている。
 サイボーグで出来たサラブレッドと言うのか、難なく走れる事に楽しみが減っていた。34GT−Rを運転する度に、じゃじゃ馬だった32GT−Rの想い出だけが大きくなっていた。たぶん、34GT−Rの完成度に私のレベルがついていけなかったのであろう。ブレーキが効かずクラッチの重い32GT−Rの方が自分で車を操っている楽しさがあった。
 欲を言えれば、剛性が上がった34GT−Rの車体に32GT−Rのような動力性能があれば最高であろう。

 そんな私が次に選んだ車、日産エルグランド。それは走りとは程遠い車。快適性は高いのだが・・・・・。


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koro-h

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