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昭和7年に全通した因美線の駅舎(昭和3年に津山駅—美作加茂間が開通)で、昭和初期の標準的な小規模駅舎である。設置された当時(昭和3年{1928年}3月15日開業)の姿をそのまま残す駅舎は、木造平屋造り。切妻屋根部分は釉薬桟瓦葺(ゆうやくさんかわらぶき)。
美作滝尾駅は、土地の人に親しまれ、一度は検討された廃駅を町内の強い運動でくいとめ存続。 「男はつらいよ」シリーズ最終作(渥美清の遺作)の「寅次郎紅の花」の冒頭シーンが撮影されたロケ地としても有名で、待合室には山田洋次監督自身が書いた手紙や撮影風景の写真などが飾られている。
(文はJR西日本、現地リーフレット及び岡山県HPより)
所在地〜津山市堀坂
アクセス〜中国自動車道津山ICから車で約10分。
※釉薬瓦〜焼きものの絵具である釉薬を塗布して作る瓦。瓦そのものは赤色のことが多く、着色も表面のみのことが多い。
※桟瓦葺き〜本瓦葺(古くから寺社建築に用いられている)の弱点である重量対策として、丸瓦と平瓦を一体化させた波型の桟瓦を使用した屋根の葺き方。現在、一般に多くみられる葺き方。
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窓口カウンターなど駅舎内部はほとんど手が加えられておらず、旧状をよくとどめている。現行駅のため、事務室内以外は見学可
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各設備が上質な木で造られており、今もなお開業当時の原形をとどめている改修札口 |
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ホーム側 | 
美作滝尾駅を出発した智頭行ディーゼルカー
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近代産業遺産
美作河井転車台
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JR因美線美作河井駅(津山市加茂町山下)
因美線の中では最高所(標高335m)にある緑あふれる山中に佇む駅。平成19年4月に構内から発掘され、2年後には近代産業遺産に登録された手動転車台が名物
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ホーム待合室
プラットホームの右端に転車台が位置する |
(現地説明板)
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車両を反転させるために使われていた転車台(ターンテーブル)。この転車台を人力で動かして、大きな蒸気機関車を方向変換していた。鉄道の歴史を語る上で貴重な資料である
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