このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

オートジャイロ始めました その1 〜なんちゃってイオジャイロ〜


 なっちゃってオートジャイロ計画

 オートジャイロには前から興味があったのですが、なかなか手を付けることが出来ずにいました。実験工房でオートジャイロ杯が開催中ということもあり、みなさんから楽しそうな機体が発表されているので、いいなあと思い、遅ればせながら始めました。

 ただ、ロータやヘッドの仕組みなど、知らないことばかりなので、物は試しと自作のロータとヘッドを試作し、ファンフライ機イオにえいやっと搭載し、ロータの回転具合などを体感することにしました。これなら手軽に実験できますが、果たして飛ぶかどうか・・・わかりません。専用の機体を作るつもりだったのですが、ロータがうまく機能するかどうかわからないうちに機体を作ると大ハズレする可能性があるので、ファンフライ機に搭載というなんちゃって状態になりました。

 ロータはオールEPP製で翼型はフラットボトムとし、適当に成型しました。ハブはPP板の二枚重ねです。支柱はジュラルミンの中空パイプです。ロータに扇風機の風を当ててみたところ、ある角度ではそれなりに回ります。最初はロータピッチを0度にしたら全く回転しなかったので、−10度くらいのピッチをつけると回り始めました。回るには回りますが、ぶんぶんとうなるほどの回転にはなりません。

 この状態で飛ばすとロータは回転するでしょうか?。もし回転すれば複葉機と同じような効果がでる筈です。回らなければただの抵抗物体となります。


オートジャイロの原理

 オートジャイロやヘリコプタで使われているロータの特徴はブレードにヒンジがついていることです。
 ドラグ・ヒンジは回転中のブレードが回転面の中で前後に動けるようになっています。ラジコンヘリではドラッグボルトがこの役割を果たしています。
 またフラッピング・ヒンジはブレードが上下に動くようになっています。このヒンジにより進行方向のブレードは高く上がり、後のブレードは下がって、回転面の左右および前後の揚力が一定になるようにオートで保ちます。
 これがヘリコプタのオートローテーションの原理ですが、オートジャイロのロータは常にこのオートロの状態=自動回転であり、オートジャイロと呼ばれる所以です。


ロータスペック

ローター長:300mm×2+20mm(ハブ)=620mm幅30mm、15倍5mmEPPより切り出し整形(翼型:なっちゃって翼型)
補強:裏面より1mmカーボンロッドにより補強
おもり:1.2mmピアノ線を翼端に貼り付け
ハブ:1mmPPで15倍5mmEPP×2をサンドイッチ
ピッチ:マイナス10度くらい(手で強引にねじりました。)
ロータ支柱:ジュラルミンパイプ

EPP削り出しのロータとPP製2枚重ねのハブマストホルダーもEPP削り出し

飛行インプレ

 無風、快晴の早朝に試験飛行しました。

 このファンフライ機イオは滑走離陸が苦手で、ほとんど手投げ発進させていましたが、ロータ回転を上げるために地上において滑走させます。地面をぐるぐると走り回っていると、ロータが回転を始めました。怪しいロータなので、あまり期待はしていなかったのですが、けっこうな速さで回転しています。
 ある程度走り回った後で、やや機速をつけてアップを引くと、あっさりと離陸しました。ファンフライ機特有のがばっという離陸ではなくてすいーっと地面から離れる感じです。

 ロータはけっこう快調に回ります。しゅるるんという音が素敵です。
 操縦感覚ですが・・・なんともいえない感覚が新鮮です。主翼があるので、基本的には飛行機なのですが、へりを上空で飛ばしている感じに近いかもしれません。
 飛行中のロータを見るとロータの前部がめくれ上がったようになっています。このめくれ上がりがあるので、ロータが安定すると書いてありましたが、うまく機能している感じでした。
 ファンフライ機としてのイオはスピードを落とすにはコブラ状態にしていましたが、普通の飛行状態のままでスピードを落とすことが可能となり、これも楽しい感覚です。ロータ面が見えるバンク旋回にはけっこううれしくなりました。ただ、強引なラダー旋回はロータ回転が落ちるので、挙動不審になるためにエルロンでなるべく大きな旋回をして、回転を落とさない旋回をした方が安定しています。
 主翼の短いイオの特性であったころころした感じもだいぶ緩和されました。

 スロットルを落とすとふわっとした感じで落下傘着陸します。この瞬間がロータがついているということを一番感じました。着陸後、滑走するとすぐに離陸離陸します。ロータ回転が残っているので、短距離離陸ができました。

 なんちゃってオートジャイロですが、オートジャイロの雰囲気を充分楽しむことができる機体になりました。ロータの効率をもっとあげて、主翼を短くし、さらにオートジャイロに近づけるという目標ができました。


 なんちゃってオートジャイロについて

 主翼無しでロータ揚力のみで飛行するのが最終目標ですが、完全なオートジャイロはかなり難易度が高いので、途中で挫折する可能性があります。普通の飛行機+ロータというなんちゃってオートジャイロから入門すれば手持ちの飛行機を実験機に使えるので、ハードルがかなり低くなり、手軽にジャイロの雰囲気を楽しむことができるということがわかりました。
 自作したロータの飛行試験にも適していると思いますので、今まで「やってみたいな〜。」と考えてはいるけれど、なかなかふんぎりがつかなかった方にはオススメの方法です。


 次の目標・・・

 まずはロータを一枚増やして3枚ロータに挑戦、次にロータ幅を30mm→40mmへ変更・・の予定です。効率アップが確認できたら主翼を半分にしてロータによる揚力の比率を上げる予定です。

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