⑨ 茂岩トンネル(2代目・3代目) 茂岩側

再び民宿がある建ち並ぶ茂岩集落である。この集落からならば、どこからでも確認できるような目立つトンネルが茂岩トンネル(3代目)である。竹を斜めに割ったような坑口が特徴的な、実に近代的なトンネルである。この3代目トンネルは1キロ以上、そのまま隣の神恵内村まで風を運んでいる。

その茂岩トンネルのすぐ海側に位置しているのが、これまた茂岩トンネル(2代目)である。坑口は盃トンネルのそれと非常によく似ている。山の緑の中から、ニョキっとまるで独立した建物のように存在しており非常に目立つ。その露出度が災いしたのか、徹底的なバリケードが施されている。坑口をコンクリートで塞がれたうえ、周囲のは金網が張られている。こんな過保護な廃隧道は初めて見た。
ところで上の写真には1代目国道も写っている。お分かり頂けたであろうか。茂岩トンネル(2代目)のすぐ脇から、画面左に向かっていく道が見えるはずだ。

さらに海側を写してみた。ほら、斜面の下方に草の色が若干変わる境界線のような物があるだろう。1代目国道の成れの果てである。2代目開通前、細いながらも、れっきとした車道が小さな岬を迂回するように頼りなく伸びていたのだ。それにしても山塊を前にして直角に折れ、ただ海岸線を忠実に辿る1代目…。アツいな!!
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