このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

国道229号線旧道群 (盃・興志内地区)


調査最終日、再び休憩を与えられた天空開発。
仕事のための体力温存など全く考えずに走る走る。
次は茂岩トンネル付近の旧道だ!!


地図を開く(別ウィンドウ ※前の地図とは異なります。)


 
⑨ 茂岩トンネル(2代目・3代目) 茂岩側


再び民宿がある建ち並ぶ茂岩集落である。
この集落からならば、どこからでも確認できるような目立つトンネルが茂岩トンネル(3代目)である。
竹を斜めに割ったような坑口が特徴的な、実に近代的なトンネルである。
この3代目トンネルは1キロ以上、そのまま隣の神恵内村まで風を運んでいる。


その茂岩トンネルのすぐ海側に位置しているのが、これまた茂岩トンネル(2代目)である。
坑口は盃トンネルのそれと非常によく似ている。
山の緑の中から、ニョキっとまるで独立した建物のように存在しており非常に目立つ。
その露出度が災いしたのか、徹底的なバリケードが施されている。
坑口をコンクリートで塞がれたうえ、周囲のは金網が張られている。
こんな過保護な廃隧道は初めて見た。

ところで上の写真には1代目国道も写っている。
お分かり頂けたであろうか。
茂岩トンネル(2代目)のすぐ脇から、画面左に向かっていく道が見えるはずだ。


さらに海側を写してみた。
ほら、斜面の下方に草の色が若干変わる境界線のような物があるだろう。
1代目国道の成れの果てである。
2代目開通前、細いながらも、れっきとした車道が小さな岬を迂回するように頼りなく伸びていたのだ。
それにしても山塊を前にして直角に折れ、ただ海岸線を忠実に辿る1代目…。
アツいな!!



 
⑩ 茂岩トンネル(3代目) 内部


3代目茂岩トンネルは、本当に近代的なトンネルだ。
この明るさ、広さ、長さ、滑らかなカーブ…、今回紹介するトンネルの中では明らかに異質である。
しかし、走っていて退屈。
ひたすら長い。
出口が小さい…。



 
⑪ 茂岩トンネル(3代目) 神恵内側


1キロ以上の長大トンネルから、日の光の下に出た私を待っていたのは、緩やかにカーブを描く橋。
そして眼下には光を浴び、きらきらと輝く日本海。
うーん、気持ち良い!!
真新しい橋を快走していく。



 
⑫ 2代目国道分岐点


橋を渡った所には神恵内村のカントリーサインが立っている。
ここから神恵内村ということを示しているのだが、実際の村境は茂岩トンネルの中である。
ちなみにこのカントリーサインのモチーフになっているのは、
村の主要産業である漁業の安全祈願のために祭られている竜神様である。

カントリーサインの背後には、「カーブ 走行注意」と書かれた標識が見える。
この標識のとおり、この先には小規模なリアス式海岸が広がっており、
国道も地形に合わせて蛇行を繰り返している。
しかし、連続カーブ地帯解消のための工事が、今私が立っている先で行なわれている。


なんと!!
連続する湾を全て橋で越えてしまおうという、脅威の線形改良である。
なんか、高速道路並みの扱いだなあ、オイ。
いくら積丹観光のためだからと言ってやり過ぎという感じがプンプンするぞ。
手前の湾に二本の橋脚が建設されているのが写っているが、その奥の湾でも工事は進んでいる。


そしてそのまま180度振り返り、泊村方面を眺める。
緩やかなカーブを描き、谷を一気に跨ぎ、そのまま山塊に突っ込んでいる3代目国道。
その脇、橋の手前から左に入っていく道がある。
簡単なバリケードが設置してあるが、2代目国道の姿である。



 
⑬ 2代目国道(茂岩トンネル神恵内側付近)


なかなか新しい旧道に入る。
3代目茂岩トンネルが貫通する平成13年まで現役であったのだから、旧道としてはまだ新米である。
橋よりも山側の崖に沿って、窮屈そうに伸びている。
この2車線完全舗装車無しの快適旧道を私は気持ちよく下り始めた。


谷を迂回した後、海の方へ方向を変え、3代目国道をくぐる。
頭上には茂岩トンネルが口を開けている。
ホント旧道とは思えないほど、立派な道だ。



 
⑭ 再びバリケード


3代目国道をくぐり、しばらく行くと、再びバリケードが見えてきた。
今度は随分厳重な金網である。
ご丁寧に有刺鉄線まで付けられているが、甘いぞ。
海側の崖を注意深く迂回し、突破!!



 
⑮ 祈石トンネル(2代目)と素掘り隧道


バリケードを突破すると、すぐある物が見えてくる。
2代目トンネル!!
そしてその隣に素掘りの1代目トンネルゥ!!


二つそろってハイ、チーズ。
例によって2代目トンネルの方はコンクリートでしっかり封鎖され、
1代目のほうは金網が張られており、進入は不可能だ。
2代目も2車線ギリギリで十分狭いはずなのだが、さらに小さな1代目。
素晴らしいツーショットだね。


来た道を振り返ってみる。
やはり、線形に問題があるのだろうか…。
先にある見通しの悪いカーブをそのままにしておくわけにはいかなかったのだろう。
とても現役チックなこの道ももはや静かに隠居中である。


祈石トンネル(2代目)。
このトンネルも固く閉ざされ、車、いや、風さえ通すことはない。
積丹国道の2代目トンネルは皆が皆このように固められるが、非常に残念だ。
人を立ち入らせないためにも、仕方のないことなのだろうが…。

残念ながら、ここから茂岩までの2代目と1代目の姿は拝めそうにない。
時間もないことだし、仕事に戻ろう…。








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