愛知県
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愛知県は海も山も大都市もみんなバランスよく揃っている県だと思う。
戦国時代はかの織田信長が生誕した地でもあり、長篠の戦いで有名な長篠も愛知県。そして江戸時代の主要街道の一つである東海道は愛知県を横断する形で東西に延びており、現在は東名高速道路をはじめ中央自動車道・名神・東海環状・伊勢湾道・知多半島道・東名阪など多くの高速道路が集中し、東海道新幹線をはじめ様々な路線が名古屋駅に接続している。
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日本一のミニ村 旧富山村
それではいきなりですが秘境系のレポといきます。
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ここは愛知県の最東端、というか北東の端っこ。長野県、静岡県、愛知県の3境地点にほど近いポイントです。
長野編でも触れてますが天竜川の西岸が愛知県にあたります。
本当にこのエリアはいいですね。
一般にあまり知られておらず、わざわざここを通らずとも普通の人は国道151号線か152号線を通ればいい。時間をかけてまで県道1号線を通る、それがどうゆうことなのか、どんな意味があるのかは通ってみたことのある人間にしか分からないだろう。
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ここは豊根村の東にあるとみやま来富館(らいふかん)という観光客向けの施設である。
かくゆう私も、佐久間ダムを見学してここに来るまでに2時間くらいかかっており、お昼もとうに過ぎていて「何か食べ物を!」という状況の中でやっとここに辿り着いた。
当然この辺りはコンビニなどなく、自動販売機すらない。
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2時間も狭い山道の中車に揺られて空腹の中、この建物を見つけたときは、まるでオアシスに辿り着いたような感覚に陥りました。
やっと人のいるところに出たという感動すら覚えた。
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食事を終えた後は、村で唯一の温泉「湯の島温泉」に駒を進める。当然のように貸し切りで露天風呂を満喫しました。
なお、温泉については
「温泉周遊記」
のページで詳述します。ですのでここでは割愛させてもらいます(^_^;)
大嵐駅と飯田線
左の写真と右の写真をご覧いただきたい。
天竜川沿いを走る飯田線の橋梁ですが実はこの二つの写真は左が現在も使われている現行線で右の写真は旧線の橋梁です。
そうです、廃線跡が色濃く残されているのも大きな魅力の一つなんです。
しばらくは県道の対岸に飯田線が走っているのでそれを見つけるのも楽しみの一つですし、旧線の発見は私にとって、遺跡を発見する考古学者のそれと同じくらい興奮する発見なのである。
もともと廃線跡には興味がありませんでした、というか考えたこともありませんでした。
いかにしてこんな特殊な趣味を身につけてしまったのか?それは数年前の出来事にさかのぼる。
私の住む秦野市には9月に「たばこ祭り」という伝統のお祭りがあります。秦野市は昔から葉タバコの出荷で全国的に有名であり、近年までは主要な産業でした。そんなたばこをモチーフにした祭りが秦野たばこ祭りであり、何だかんだ言ってほぼ毎年のように行ってます。
それと何の関係があるかというと、廃線です。秦野市は今は小田急線が東西を貫いており、一つの市で渋沢駅・秦野駅・東海大学前駅・鶴巻駅と4つもの駅があるという小田急線の中では珍しい都市です。小田急本線にある4つのトンネルのうち2つが秦野市にあります。
しかし、秦野には実はもう一つ電車が存在しておりました。それが 湘 南 軌 道 です。
湘南軌道は主に葉タバコを東海道線に運送する目的で作られたもともとは湘南馬車鉄道と呼ばれていた鉄路です。現存する資料は殆ど見られず、ホームページを探しても詳しく書いてあるページはほんの僅かです。
秦野駅という駅がありますが私が小学生くらいまでは大秦野駅でした。隣の東海大学駅も大根駅でした。開成駅もありませんでした。
大秦野駅に関してはそのたばこ祭りの際に何かの資料を見る機会があり、その由来を知る機会を得ました。秦野駅が既に存在していたため小田急では秦野駅という名前を付けることができなかったのです。その秦野駅は湘南軌道の駅名であり、現在の秦野のジャスコの近くに存在していたということです。
地元ネタでも申し訳ないが、ジャスコの前のNTTの建物のところに「軽便みち」の石碑が建っているのを確認済みです。
自分の住んでいる街に実はもう一つの鉄道があったという事実に興奮してしまい、来る日も来る日も湘南軌道のことを調べました。
どこに線路は通っていたのだろう?どこかに遺構は無いのか?今はどうなってるんだ?
そんなことを考えるうちにネットで廃線跡を取扱うホームページが意外と多いことを知り、テツと呼ばれる鉄道好きの方々の世界に片足を突っ込んでいった。
全国の鉄道はどんどん廃線が進んでおり、ピーク時に比べてかなりの数が減っている。そしてその線路は撤去されずそのまま残っていることも多いのだ。
そして興味の対象は湘南軌道の全貌が段々分かってくるにつれ廃線跡や旧線へとシフトしていきました。
そうして知ったサイトが
こちらのサイト
である。このサイトは今でも毎日のようにチェックしております。
そしてこのサイトでは廃線跡だけではなく道路レポートというのがある。そしてその中でも一番面白く興奮して読ませていただいたのが今いるこの大嵐(おおぞれ)付近を題材にしたレポです。そう言えばテツの方々もJR飯田線のこの区間は結構人気があるようで、一時期ハマった実録鉄道情報漫画「鉄子の旅」にも登場している。
つまり廃道愛好者・テツの皆さんが共通してこのエリアを取り上げているわけです。
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富山村は豊根村と合併しました。今は残念ながら日本一のミニ村ではなくなってしまいました。
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上の写真でおおぞれ(大嵐)駅の写真を載せましたが 静岡県浜松市 と書いてあるのに気付いただろうか?
このレポは愛知県編ですがこの写真はあえて他県の写真を載せております。
大嵐駅は駅があるのは静岡県ですが実際には静岡県の方が日常的に使うことはありません。
対岸の愛知県富山村の方が使うために設置されたと言っても過言ではありません。
一応大嵐駅から2キロくらい離れたところにある夏焼集落の数人が使うこともあるかもしれませんがほぼないと思われます。
その駅の利用者はほとんど愛知県旧富山村の方なんです。上の写真に富山村のガイドマップがありますがこの看板が立っているところも実は静岡県の浜松市。
それでも富山村のために作られ富山村の方が管理維持していて、富山村の郵便物等の荷物も飯田線によって運ばれて配達員が富山村まで運びます。
富山村の循環バスもこの駅を通ります。全国的にも珍しい他県の駅に頼らざるを得ない村なのです。
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駅周辺も魅力がいっぱいです。
まず左の写真ですがこれは大嵐駅が現在の場所に移築する以前に使われていたもののようです。いまではすっかり植物におおわれていますが、このような遺構を見つけたときの嬉しさはさらなる冒険心をくすぐります。
右の写真の中央に、天竜川に下りていく階段のようなものが見えますでしょうか。これは佐久間ダムが出来る以前に利用されていた「渡し船」の乗り場へ行くためのものなのだそう。今まさに写真を撮っているのが「鷹巣橋」という橋の上ですが、この橋ができたのが昭和30年代なので、それ以前の遺構ということになります。
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↑この写真の船は浚渫船(しゅんせつせん)と言いダム湖の底に溜まった泥を取り除き、ダムの貯水量を保つための船です。
初めてこれを見た時はなんか怖くなりました。こんな人里離れた奥地で何か秘密の研究とかしてるのか?など色んな勝手な妄想が先走りました。
このあたりは佐久間ダムの完成によって多くの集落が湖底に沈みました、それに伴い飯田線はルートの変更を余儀なくされ、電力会社が費用を持つ形で移設されました。そんな背景がある中でこの湖底には今も飯田線の遺構が残っており、渇水時には当時の隧道跡などが顔をのぞかせることもあります。
下記の左の写真にはダムに水没する前の飯田線の旧線跡の遺構が見えると思う。
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右の写真は静岡県浜松市天竜区水窪町奥領家にある夏焼集落であるが、「限界集落」であることは火を見るよりも明らかである。
いったいどのような生活をしているかを伺ってみたい。あまり田畑をやるような土地ではないので、ある程度自給自足を強いられているかと思う。
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その夏焼集落に向かう為の唯一の手段として隧道がある。これは飯田線の旧線跡をそのまま車道として流用したものであり、トンネルの断面が馬蹄型であるところが「元鉄道用」を物語っている。右の看板にはよく読むと恐ろしいことが書いてある。大雨が降ってダムの水が増水すると集落は孤立する?
佐久間ダム
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佐久間ダムは日本に一番多いタイプの「重力式コンクリートダム」ですが、完成当初は日本一の規模を誇っており、殉職者も相当な数にのぼったようです。
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この辺りの土地はご覧のとおりの峻嶮さで、崩壊しやすい(土砂災害の多い)土地柄、かなりの難工事だったことが予想される。
その難工事を知ることができる手っ取り早い手段がこちら↓
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J-POWERによる佐久間電力館である。ここは通年無料営業をしており、誰でも気軽に寄ることができる。
駐車場も完備され、展望台もあって佐久間ダムや周辺の電力・水路事情などを細かく知りたい人にはうってつけの場所と言える。
私が行ったときは10人程度ほかのお客さんもいて、辺境の地にありながらそこそこ賑わっているイメージだった。
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ここいに至るまでの道には素掘りの隧道も多く、中には当時の作業坑道が洞内から分岐しているところもいくつかあった。
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その中でも展望台になっている部分があったので行ってみた。 なかなか壮観な眺めであるが、ここは案内看板は何もなく、ちょっと隠れ家的な雰囲気もあった。
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ちなみに佐久間ダムが天竜川を堰き止めて生じた湖のことを佐久間湖というが、その左岸を電力館を超えてさらに進もうとするとご覧のような結末になる。
それにしてもものすごい数の流木です。
右の写真の通行止めゲート写真はマウスカーソルを合わせると拡大表示します。
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国道151号線を走っているとこんな風にお酒の巨大オブジェをいくつか見ることができる。このあたりは有名な地酒があるのだろうか?
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大都市「名古屋」
ここは古くから交通の要所として栄え、様々な商品が出回り商業や工業・林業・漁業が発展してきました。今では日本で大阪に次ぐ大都市となっております。
正直大都市にはあまり好き好んでいくことは少ないですがこの時は友人の結婚式だったので秦野から車を走らせやってきたのでした。東京以外の大都市に滞在するのってなかなか新鮮です(笑)
この時は名古屋駅近くの宿に泊まり、駅の周りを散策してきました。
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名古屋城
名古屋と言えば金の鯱(しゃちほこ)
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でも多分この写真のシャチホコは金ではない、隣にある募金箱がなんだか豪華絢爛なはずの金のシャチホコを安っぽい印象にしているようでならない。でも上の写真の天守閣に乗っている鯱は多分本物?
登って確かめる術もないので分かりません。城のお堀には水はなく何匹かの鹿の生活の場と化してました。
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しかし立派な城ですね、コレ。有料ですが中に入れるとのことで当然入城!
そこで知ったのですがここには昔「那古屋城」があったようです。織田信長はその那古屋城で生まれ、改名して現在のような名古屋城になったようです。読み方が同じですが感じが違います。
そして上の写真の城は当時のものではなく、1945年の名古屋大空襲で焼失してしまい、1959年に復元されたもの。
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中には入りましたが歴史的展示物が多く、撮影禁止となっているところがほとんどでした。くどいほどシャチホコがたくさん置いてあり見飽きました・・・・・・・
中央の写真は上階から下を見下ろした様子。さすがに1959年にできた新名古屋城だけあって観光客を意識している感じです。内部も体験型のアトラクション(シャチホコを引く力を計測するもの・籠に乗って写真撮影できるスペース・当時の生活ぶりがうかがえるシアターなどが用意されていた。ちなみに右の写真は殿の食事だそうです。
名古屋といえば「きしめん」「みそかつ」「ういろう」等が有名ですが今回は「きしめん」をご紹介したいと思います。
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最近だと全国いつでもどこでも食べられるようになりましたがやはり名古屋に来たら本場のきしめんを食べてみたいものです。
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名古屋城に行った際に敷地内にあったので入ってみました。
右の写真はきしめんの由来ですが、字が小さくて読みづらいという方はブラウザ右下の100%とか書いてある数字をクリックすると120%くらいになって読みやすくなると思います(ただしインターネットエクスプローラーを使ってる人に限る)
味は普通です。そばとかうどんとかと似てます(すいません、表現力に乏しいです・・・)
名古屋のでの夜は飲めない酒を無理矢理飲みました。普通に飲める人が羨ましい。
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そう言えばもうひとつ、愛知県で紹介しておきたい場所がある。刈谷パーキングエリアと言い、東名から伊勢湾自動車道に入ってすぐのところにある。
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ここはパーキングエリアでありながらそこらのサービスエリアをも凌ぐ程の規模を備えたいわゆる「ハイウェイオアシス」と呼ばれる施設である。
ここは高速道路の利用者はもちろん。そうでない一般道からのアクセスも可能でスマートI.Cは無いが人の行き来は自由である。
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ここはエビ煎餅が有名のようで、この建物に入るとエビせんの香りが漂ってきた。店内にはものすごい数のエビせんが山積みされており、試食もし放題だった。多くの観光客が試食しまくっており、店員が一生懸命試食用エビせんを追加していた。
でも525円は少し高いねぇ〜
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観覧車のあるパーキングエリアなんて初めて見ました。また、このデラックストイレというのもなかなかのモノです。
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女子トイレなどはこの通り、公共のトイレとは思えないほどの贅沢な作りとなっております。男性の方も小・大ともになかなかに豪華な仕様となっておりました(上の写真は当然ながら私が入って撮影したわけではありません)
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近頃道の駅に頼りっきりな気がします。昔は道の駅なんて一件も無かったのにここ10年で大量に増えた気がする。
道の駅は最近では地域振興の場として地元の野菜を販売したり、その地域の情報を提供する場所としても重要な役割を果たしている。
知名度も上がって来ており、道の駅と聞いて「なにそれ?」と言う方が少ないだろう。
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愛知県と言えば「きしめん」である、ということで道の駅クリスタルポルトにてきしめんを注文。他にも伊良湖ラーメンなるものがあったがどうみても普通のラーメンで味もオーソドックスなそれである。唯一面白かったのが右の写真の「特大あさり」。とてもやわらかく味もいい。
続いて渥美半島の突端部分へ。
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しかし本当の突端まで400メートルの所で雨が強くなり断念。ここから先は車で行くことが出来ず、徒歩か自転車のみでのアプローチとなる。本当はこの突端部分を歩いて一周する(1.5キロくらい)予定だったのに計画が崩れた・・・
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その近くに恋路ヶ浜という浜がある。ネットとかで調べると「恋人の聖地」と言われているが、この日の恋路ヶ浜は強風と雨でそれどころではなかった。
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ただ、一応恋人の聖地と言うだけあって「それらしいもの」はあった。願掛けをくくりつけたり、鳴らすと幸せになれる鐘とかはお決まりのパターンである。同じようなのを
能登半島
でも見た。
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ここは恋路ヶ浜からすぐの所にある「伊良湖ビューホテル」。ここには最高に眺めの良い露天風呂があるということで入りに来たわけですが残念ながらあいにくの天気なためあまり視界はよくない。天気の良い日に来ていればもっと感激したことと思うが実に残念だ。
入口になぜかやたら巨大なピカチューが鎮座していたがあまりにも大きすぎて本来の可愛らしいキャラクターの味を損ねているように思える。自分より大きかったです(私は173cm)
そしてこの後は船に乗って渥美半島から知多半島へ移動
愛知県はそんなに大きな県ではないがこのように海岸線が複雑な形をしており、海岸線の長さや漁港の多さは全国的に見ても引けを取らない。
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→
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船が来る前と船が来て乗り込む直前の写真。左右の写真はほぼ同じ場所から撮影したものである。
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出港から40分で到着するため、手早く船内を探索。どうやら乗っている人は我々を含め15人ほどしかいないようだ・・・
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対岸の師崎に着きました。師崎は「もろざき」と読む難読地名。
だいぶ日も傾いてきており、師崎の港は暗く寂しい感じになっている。
土日だというのにフェリーを使う人はまばらであり、高速1000円制作がフェリー会社に与える影響の大きさを実感した。
ここは場所的に渥美半島と知多半島を観光する方以外は通ることはないと思う。
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知多半島には不思議な光景がちりばめられている。
左の写真は灯台でしょうか?監視塔?なぜかイルカのオブジェ3匹分で支えているように見える。
そして右の自動販売機はなんと「釣り餌」を扱っている。たまに卵や米等の自販機を見ることはあるが釣り餌は初めて見た。
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これは流下式の塩田で、これもまた
能登半島
で見たものと同じだ。実際にここは塩の制作体験が出来る施設も付随しており、ちょっとやってみたいと思ったが既に17時で閉まっていた。
右の地図を見てて思いましたが伊良湖崎と伊勢神宮のあたりを大きな橋か海底トンネルで結べたら便利でしょうね〜
青函トンネルが30〜40年前の技術でできるなら今の技術でできそうな気がしませんか?もしこれが開通すれば慢性的な渋滞地である岡崎や音羽蒲郡あたりもスッキリしそうだし大阪方面に名古屋を通らずに向かうことができます。
さらに妄想すると大阪の岸和田あたりから淡路島を通って鳴門海峡を渡れば名古屋も大阪も通らずに四国に行くことができるようになります。さらにさらに妄想させてもらうと愛媛県の佐田岬から大分の佐賀関までは今はフェリーが通ってますがこれも車道で結ばれたら九州に極めて短時間で結ばれることになります。名古屋近辺の渋滞もありますが私の経験上大阪をスルーする時にどうしても吹田JCTとか宝塚のあたりが混雑します。今は大阪圏で高速道路網を整備しておりますが結局は分散化するだけで大阪と中国四国地方を結ぶ路線にバリエーションが増えたわけではありません。舞鶴自動車道が完成すれば少しはよくなるかもしれません。国土交通省の今後に期待です(高速1000円は継続してくれ〜)
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それでは!
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