このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

赤江 あかえ



落合酒造場 宮崎県宮崎市

(04.07.03)
落合酒造場は宮崎空港の近く、JR田吉駅の踏み切りのたもとにある。国道220号線(旧線)からは1歩路地裏。道路沿いにあるスーパータイヨーのちょうど裏手あたりだ。近くには宮崎のチケット情報誌“月刊Palm's”の編集部がある。

今は宮崎市郊外の一消費地区といった風情であるが、太平洋戦争時、ここから近い宮崎空港は旧海軍赤江飛行場として昭和18年に整備され、宮崎海軍航空隊が置かれる。その後、終戦に至るまで“日本防衛の南九州最大の航空基地”として防空の要であった。戦況が逼迫する戦争末期には他の飛行隊と同じく特別攻撃隊が編成され、私とほぼ同年代であろう方々が様々な思いを胸に陸上爆撃機“銀河”に乗り込んで、沖縄の海を目指して飛び立っている。特攻は昭和20年3月から5月まで繰り返し行われ、この“銀河”の“銀河隊”や“雷撃隊(魚雷による攻撃を行う部隊でしょう)”併せて、48機142人が帰らぬ人となっている。

今は韓国への国際航路便が飛び立っていく同空港だが、繰り返してはならない哀しい歴史。私自身にも言えるが、銘柄のレビューでは「うまいうまい」ばっかりじゃなくて、蔵の周辺のこういったことにも是非とも目を向けて欲しいと思う(折を見て紹介していきたい)。空港近くに設置された慰霊碑や滑走路際に今も残る掩体壕を見ることでその名残を感じることができる。また、国道220号線南バイパスからも丘陵に隠れるように設置された大型の掩体壕を見ることができる。

本格焼酎“赤江”。ご存じの通り、原料に新しい甘藷の品種を使った焼酎である。品種の名は「ムラサキマサリ」。アヤムラサキとシロユタカを掛け合わせた品種であるけれども、そういえば霧島酒造の“赤霧島”これを使っていましたね。最新号の県の農業機関誌“M モーション”で紹介されていたが、あまり焼酎原料には向かないそうである。どちらかといえば染料向き・・・。三石和甕で仕込んで常圧蒸留と無濾過。発売から3ヶ月経ってやっと買うことができたのだった。

封を切ったとき、香りをかいで思ったのは“ヨーグルト”(爆)。生で飲んだときの華やかさと甘さは、「原料品種の違いでこげん変わるとね?」と非常に印象的であった。全体的には穏やかな焼酎です。お湯割りにすると最大の特徴(勝手に言っちゃうけれどね)であるこの香りは和らいでしまうので、私は大人しくロックか生で飲むこととします。
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