このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

夏休みで宮崎に帰郷された友人から琥珀色の宝物をいただいた。あにょ“電気ブラン”様である。以前戴いたことがあり、毎晩酔っぱらったのであるが、宮崎はもちろん国際都市福岡でもなかなか見かけない一品なのである。電気ブラン発祥のお店“ 神谷バー ”のロゴが入った箱を受け取り、ぴょこぴょことそこいら中を飛び回ってしまった。

ちょっとここでお勉強。

日本で最初の西洋バーが作ったジャパニーズカクテルっつうのは存じ上げておりました。その“神谷バー”。明治13(1880)年に酒の一杯売りをする『みかはや銘酒店』として創業。“電気ブラン”は、創業者の神谷傳兵衛によって明治15年に考案されている。不思議な“電気ブラン”という響きの由来は、明治期の庶民が持っていた新しいエネルギー“電気”への強い憧れ。目新しいものには何にでも“電気”をつけていたそんな時代背景を映しているのである。以来、120年あまりに渡って浅草の“味”としてあり続けるのであった。
電気ブランの 夜なのだ
箱を開けて瓶を取り出す。底に何かは言っている。しゃこしゃこ振って取り出してみると、『デンキブラン今昔』。これまたいい感じのリーフレットが入っていた。

これには上に書いたようなデンキブランの歴史、浅草を通り過ぎていったそう古くはない文学作品の中の「神谷バーと電気ブラン」などが紹介されている。
秘伝の製法を元に『ブランデー、ジン、キュラソー、ワイン、薬草などがブレンド』されているその味は「複雑怪奇」。甘く、薬臭く、幼稚園の頃、このような味のシロップ(風邪薬)を飲まされたかも・・・なんて考えたくなる。

ただ、度数は高い。合同酒精が製造を担当し、30度と40度がある。戴いた瓶は40度の方。飲み過ぎると次の日はへろへろとなってしまうため、小さいグラスでチビチビやっています。
でも、ちょうどオリンピックイヤー。夜は長いようでもあり、短いようでもあり・・・。

真っ暗な部屋でテレビ観戦をしながら飲む高アルコールのお酒は、夜更かしの相乗効果も手伝ってたまらなく美味しく感じるのです。

飲み過ぎないよう・・・とはいっても、ついつい飲み過ぎてしまう。今夜もじんわり琥珀色の夜を楽しむといたしましょう。
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(04.08.19)

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