このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

福徳ゑびす
ゑびす酒造(株) 福岡県朝倉郡杷木町


(2004.01.04)
ゆらりゆらりと流れる筑後川。筑後次郎と呼ばれ、農業用水や生活用水の水源として流域の人々の生活を潤している。また水産資源も豊富であり、鮎漁が解禁となる季節には鵜飼船が川に出る。その様子をニュースで御覧になった方も多いだろう。

その鵜飼を観光の目玉にしているのが杷木町原鶴温泉。筑後川の川原で湯浴みをしている鶴を見て発見されたという温泉である。お湯の湧出量は県下一で、28軒のホテル・旅館が川沿いに集中している。

また、梨や柿、ぶどうで有名なのも杷木町だ。栽培の主力となっているのは町の中央部の山麓地帯であるが、メインストリートである国道386号沿いにも果樹園が点在しており季節ともなれば観光果樹園へたくさんの人が集まる。

町の東部及び北西部が山間部ということもあり、当然ながら林業も盛んな地域であったそうだ。この“
福徳ゑびす”を造るゑびす酒造の隣にも切り出した木を加工する製材工場がある。ゑびす酒造もかつては粕取り焼酎を製造しており、林業従事者の傍らにあって力作業の疲れを癒していたと想像が出来る。

今は
樫樽貯蔵麦焼酎“らんびき”で有名な同社だが、粕取り焼酎を製造していたころは造った焼酎が地元の杷木町だけでなく宝珠山村や隣県の日田市まで流通していたという。当時、宝珠山村にある清酒“福稲”の片岡酒造場からも粕取り焼酎の原料となる酒粕をとっていたそうだし、現在でも日田市の酒屋の棚に“福徳ゑびす”を見ることができる。

一度“ 九州焼酎探検隊 ”の一員として蔵を訪問させていただいたことがあるが、その際同社の代表取締役社長である田中勝海氏に温かく応対していただいた。そのときに購入したのがこの焼酎なのだ。じゃ、飲んでみますか。

この焼酎の特徴は普通の米焼酎と異なって、麹に麦麹を用いている。その効果であるのか分からないが、非常に好感の持てるすっきりとした味わいである。鼻の穴から抜けるすっきりと筋の通った甘さ、柔らかさとでも言った方が良いのかなぁ・・・。

お湯割りやロックも良いだろうが、生でぐいっと飲むのをお勧めしたい焼酎です。

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