このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
姫泉酒造(資) 宮崎県西臼杵郡日之影町
(04.06.12)
国道218号を延岡から阿蘇方面へずっと上がっていくと、『東洋一』とMの国の住民が県外に胸を張って誇れる“青雲橋”を通ることとなる。川の水面からの高さ137m・・・。橋の真ん中から下をのぞき込むなんて事はごめん被りたいが、その橋のたもとにある道の駅では新鮮野菜、地元生産者による加工品等が販売され、夏場にはクワガタやカブトムシも販売していたのではなかったか。この道の駅では日之影町の焼酎蔵である姫泉酒造のコーナーも作られていて、同蔵のほとんどの製品を求めることが可能である。
実は日之影町。この青雲橋の他にも龍天橋、天翔大橋の2本の大コンクリートアーチ橋を含め、大小215の大量の橋がかけられている。国道等のメインストリートとそれぞれの地区を結ぶなど、地元にとっては非常に大きな役割を果たしている。橋がなかった昔は、川の対岸まで行くのに谷を降りて、川を渡って、谷を上って・・・といった具合であったそうだから、その恩恵は非常に大きい。このように、渓谷に高さ100m以上の橋が架かる光景は山々に集落が点在日之影町ならではのものである。
日之影町。鉄道趣味人にとってはTR高千穂鉄道の日之影駅に温泉があるんだぞ・・・といったくらいの印象しかない。よく雑誌などで男風呂からホームを見下ろした写真を見るが、いっぺん行ってみたい温泉ではある。また、厳冬期には神楽が舞われ、舞い手(=ほしゃどん)に八百万の神々が降りることとなる。
この焼酎の蔵元『
姫泉酒造
』は創業が天宝2年と宮崎県でも歴史ある蔵元である。大昔は清酒も作っていたらしいが、今では焼酎のみ。
SASANABA師
の「
九州背梁山地の蔵〈日之影町〉
」や、
いで師
の「
宮崎山地縦走蔵見学記(高千穂・日之影編)
」に詳しいが、清冽な水を使って、昔ながらの焼酎づくりをやられているという。先日、FM宮崎で放送された「
若き蔵元達の挑戦
」の中でも姫野社長が登場されていたが、その中で「
今の造りを変える気はない。
」ということをおっしゃっていた。
地元の人のために作る
。そういう意味であろう。
この焼酎。実は異動した人の置き土産である。どうせ誰も飲まないことは明白なので、いただいて帰ってきたのだった。ラベルにもあるが、糖類添加の焼酎である。風味を整えるという意味合いで加えているのだろうが、確かに飲み込んだ後には残る甘みが強い。その味わいといえば不思議なもので、独特の麦の苦みかがふっと薫る。20度という度数もあるが非常に飲みやすく、生やロックで飲んだときには水と一緒。スッと入りすぎるのであった。お湯割りであれば、その麦の風味が一気に広がる様にも思え、お湯割りや燗付けといった
あたためて飲むという飲み方は、この焼酎が持つ魅力を引き出すことができる
と想像される。それを考えると、夜神楽で振る舞われる“
かっぽ焼酎
”は雰囲気を演出するだけでなく、非常にナイスな飲み方なのではないだろうか。
県北にある面白い焼酎です。
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