このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

宮崎県小林市。宮崎県の人間にとってはこの銘柄名となっている生駒高原でよく認識される西諸県郡市最大の経済圏である。春はポピー、そしてこれからの秋に咲き乱れる見渡す限りのコスモス。これを目当てに多くの観光客を集めるのだが、さっきの言葉は訂正。宮崎の人間だけでなく九州の人間に花の名所と認識されているのである。

この他、観光地としては男女の陰部が見事に合体した岩“陰陽石”や夷守台一帯のオートキャンプ場や観光牧場“コスモス牧場”など見所があるのだが、これらの他にやはり九州でも有数の蛍の名所である“出の山”がある。私も過去何度か見に行ったことがあるが、群青の闇に浮かび上がる無数の蛍光はとてもというかかなり神秘的であり、当たり年には手の届きそうなほどの蛍火の数に驚くであろう。この焼酎のラベルにもこれら“
コスモス”と“”の図柄が採用されている。

さて、生駒高原酒造。ラベルの在所には小林市細野地区となっている。この住所はこの蔵の前身である海老原酒造の物。海老原酒造は細野や夷守台の集落で愛された“桜”という銘柄を作っていた蔵だが、後継者不足によって20年ほど前に廃業されている。これについては別にまとめたいが、この蔵を引き継いだのが小林市の西隣のえびの市にある明石酒造の系列会社であるこの製造元だ。

明石酒造の“明月”とえば西諸県郡市のナショナルブランド。米焼酎をブレンドした軽快な飲み口の芋焼酎である。この“
生駒高原”もその流れを組んでおり、原材料名も「さつまいも、米こうじ、米」となっている。地元小林の酒屋で聞いてみると「明月さんが造っている」という表現をされるから、小林市向けに“明月”のラベル換えをした『地域ブランド』という見方もできるだろう。だが、小林市の焼酎では“大淀”と比較するとどうしてもマイナーな印象はある。

味はやはり“明月”である。5合瓶を買ってきて生やお湯割りで飲んでいたが、あまり芋くさい焼酎ではない。すっきりと甘く、それが口の中で持続して非常に好感を持てる。ま、元は“明月”であるから、好きな風味の焼酎である。
生駒高原
(資)生駒高原酒造 宮崎県小林市

(04.10.18)
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