このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

伊佐大泉
大山酒造(名) 鹿児島県伊佐郡菱刈町

(2007.09.12)
お湯割りで思わず深みにはまってしまった・・・。

開封してみてその香りの高さにまずはビックリしてしまう。ホクホクとした蒸かし芋そのままなのである。ただ、その味わいは華やかさよりもスパッと男性的で、ほどよい甘さと深い余韻が強く印象に残った。

鹿児島の伊佐地方で醸されるこの芋焼酎を飲んだのは、私自身、恥ずかしいのだが実は初めてなのです。う〜ん・・・。購入するのは初めてぢゃないのですけどねぇ・・・。

というのも、一番最初に購入したのは学生の頃。所属していた研究室への帰省土産であったのだが、翌日、研究室に顔を出すと空瓶が・・・。聞けば、持ち込んだその日のうちに宴会が催され、諸先輩方がしっかり消費されていたというのである(この時、併せて“黒石岳”も購入して持ち込んだのだが、こちらも空瓶に・・・)。よく飲むにゃぁ・・・と思いつつも、その時は「飲み会やるなら教えてチョ!」と未知の銘柄を飲めなかったプチ悔しさを感じていたのだった。

今更、この焼酎について私ごときが紹介するまでもないと思うが、仕込みに使われる麹は蔵元の手造りによる白麹。加えて、大山酒造は永らくこの“
伊佐大泉”一本の造りを堅持し味わいを磨き掛けてきた(焼酎ブームのまっただ中において“伊佐泉”という銘柄も生まれている)こともあって、この2点において私の中でどこか特別な品格を感じられる銘柄であった。白をベースとしたラベルについてもシンプルな美しさがあって、その印象をより強めていたように思える。

その後の“伊佐大泉”であるが、購入すれども、人にあげたりとか実父の強奪にあったり・・・と何かしらの理由で購入した本人が飲む事ができない事態が続いた。で、この度やっと落ち着いて飲む事ができたと言うわけ。

気が付けば2007年ももう9月。

蔵も既に今年度の仕込みに入られた事と思う。宮之城の小牧醸造さんと同様、蔵は昨年7月の鹿児島県北部豪雨によって大きな被害を受けたのだが、蔵元の精神的な負担も含めて、なかなか被災以前の状況に戻ることは容易ではないと思う。

この焼酎の深い味わいに、ついその事を思ってしまう。宮崎も毎年のように大きな水害に見舞われている事もあるだろう。ただ、応援したくとも、飲む事しかできないのだが・・・。
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