このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
鳴滝酒造(株) 佐賀県唐津市
(2007.05.25)
同社の粕取り焼酎“
ヤマフル
”と並んで、佐賀焼酎の存在を私に教えてくれた銘柄である。
もう何度かお話させていただいたが、大学を離れてすぐ、福岡県西部のJAにお世話になっていた事があった。そのJAの和牛生産部会のお手伝いをさせて頂いたが(1年間という短い間だけれども)、そのJAは現在、自前の家畜市場を持っていない。生計のためには生産した子牛を換金する場所が必要となるのだが、地元JAの膝元に市場がなければ、農家の庭先での相対取引か、近隣の市場まで牛を持っていく必要がある。
その部会では時折、相対取引も行われていたようであるが、生まれた子牛は約10ヶ月間、農家の愛情を持って育成される事となる。その後、佐賀県の多久市にある
JA佐賀経済連畜産センター
にて開催される子牛市で取引されていた。
子牛セリ市の朝は早い。いくら隣県とはいえ、福岡からは2時間以上かかっていたと記憶している。色々と現地で準備をする事があるので、当日の朝は午前6時半には会場に到着せねばならず、4時頃家を出て行ったのではなかったか。
農家の牛を引く(待機場からセリ会場まで牛を引いていく)ことを手伝ったり、子牛セリ名簿を手に電光掲示板に映し出されるセリ値をチェックしたり・・・。朝の9時から夕方近くまで開催されるセリの一日はとても早かった。
そのJA時代の夏。
九州焼酎探検隊
による
粕取り焼酎再興プロジェクト
“
粕取まぼろし探偵団
”の活動が始まった。猛牛師、けんじ大佐の熱意におされるように、私の行動範囲も段々と大きくなっていく。そのような中で、酒屋に寄り道しながらのセリ市の帰り道で、よくみかけていたのが唐津市にある
鳴滝酒造
のこの銘柄だった。佐賀焼酎と言えば、別に有名な銘柄もあるのだが、酒屋の棚に並んでいた“いかにも唐津!”という
潔さが好きであった。
この4合瓶には遠く離れた宮崎の地で出会ってしまった。 毎日が加速的に忙しくなりつつある今。しみじみ飲むと、当時が非常に懐かしく思い出される。
唐津の顔とも言える祭り“唐津くんち”の曳山の迫力、そして祭りの喧噪が伝わって来るようなラベルを手に取った。原料欄には米、米麹、酒粕の記載がある。米焼酎の製造のどこの過程で酒粕が加わってくるのかは存じ上げないけれども、円く、清涼感のある飲み口がとても心地良いのだった。
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