このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

ひむかの
くろうま
20度
神楽酒造(株) 宮崎県西臼杵郡高千穂町

(2009.03.18)
古くは古事記にも『日向の駒』という記述が認められるほど、日向(ひむか)は宮崎県は古くからの馬産地であった。今日、宮崎県内を見渡してみた時に台地であることを示す「原」や官営牧場を表す「牧」が付く地名が意外と残っているし、串間市の都井の御崎馬は日本在来馬の姿を奇跡的に保っている。青空と日向灘に投げ出されたような崖で草をはむおだやかな姿ばかりに目がいってしまうのだが、都井岬にしても高鍋藩の軍馬育成牧場にルーツを求めることができる。

また、芸能祭事をみても人と馬との密接な関わりを表す行事というのはたくさん残されており、西郷村で毎年初夏に催される御田祭はその代表格だろうか。馬券的中の景品がうれしい綾の競馬だってそうである。こうしてみると、宮崎県というのはどこそこで馬が飼われ、馬の楽園だったのだろう。

その名残というのは今日の宮崎にも見つけることができ、宮崎市内中心部に広大な敷地を有するJRAの育成牧場(かつては競馬も開催されていた)を始め、競走馬の生産農場も存在している。また、休養のために宮崎県を訪れる競走馬もいる。早朝、煌めく赤江灘をバックに走る馬の姿は非常に絵になる。

西諸県、北諸県郡では食用の馬が飼育されているが、2年に1度の県品評会においても宮崎県の畜産を賑わせているのだ。地域で生産された大型の馬は肥育され、熊本へと出荷される。

さて、宮崎焼酎の世界では都城市の柳田酒造がこの『馬ならば日向の駒』から麦焼酎の酒銘を取っている。名声高らかに、全国津々浦々に・・・。愛されて欲しいという願いからの銘々だろう。

県北の高千穂でも同様の願いを込めて誕生した麦焼酎がある。地元の西臼杵郡では家畜市場でさえも営業に使用しており、晩秋から厳冬期には神楽宿で人々の体を温めるであろう焼酎が今回紹介する銘柄だ。(集落や道路の沿線で好まれる焼酎が変化していくらしいのだが)込められた願いは叶っているのでは無かろうか。現地に住んだことが無いので断言はできないが、高千穂ではかなりの支持を集めている焼酎だと認識している。

県外については、以前、宮崎日日新聞の連載『みやざき焼酎進化論』において 神楽酒造 さんが販路を北部九州に求めたことが紹介されていた。販売当初の苦労話を語った内容だったと記憶しているが、記事のディティールが思い出せない・・・。切り抜いた記事を探してみるのだが、こういうときに限って見つからなかったりするのだよな。

あぁ、もどかしや・・・。
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