このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

麦シャッパ
比翼鶴酒造(株) 福岡県久留米市城島町

(2006.03.08)
平成17年2月5日に福岡県三潴郡城島町は合併によって久留米市の一部となった。

どうもこの合併というやつ。地元の人間の頭の中では新市町の地図っていう物は形をなしているのだろうが、外部の人間はどうにもいけない。しかもかつてそこに行ったことがある土地であった場合、頭の中はいつまでたっても昔の境界線のままだったりする。

まぁ、行政区の区切りが変わっただけで風景が急激に変化するわけではないから不便ではない。単にギャップを埋められなくてプチ苦しんでいるだけ。時代についていけない人種の遠吠えでした・・・。

久留米市城島町(かつての三潴郡城島町)には何度か行ったことがある。

筑後平野のまっただ中にあるので、とにかく空が広かったのを覚えている。有明海へ向かう筑後川の高い堤防からは周辺が見渡せ、一目でそれと分かる日本酒蔵の建物がいくつか目に入ってきた。

そう。城島と言えば筑後平野で生産される米と豊富な筑後川の伏流水、そしてこの筑後川の水運を背景に発展した日本有数の酒処である。福岡県酒造組合の HP では明治時代の半ばには80を超える酒蔵が存在していたことが紹介されており、地区の酒蔵が4場となった現在でも毎年2月に開催される“城島酒蔵びらき”という一大イベントに、「東の灘、西の城島」と称された最盛期の名残を感じることができる。その4場のうちの一つが清酒“
比翼鶴”を醸す 比翼鶴酒造株式会社 。いつだったか、ドライブ中、偶然にもこの祭り開催中に城島町の中心部を通りがかったことがあったが、人人人・・・の大盛況にびっくりした。道行く人の顔はほのかに赤くなっていたような気がした。

同社の麦焼酎“
麦シャッパ”は柔らかく軽快に仕上げられている。シャッパとはシャコのことで、麦の収穫の時期に抱卵し、「麦シャッパ」と言われ地元でも珍重されるという。銘柄のいわれは存じ上げないが、有明海沿岸地域の酒として「愛されて欲しい」という願いからこのような名前に成ったのではないだろうかと勝手に想像する。

金羊社の「本格焼酎・泡盛ガイド(2005年度版)」では減圧蒸留と紹介されているのだが、減圧の麦焼酎というのは概してツンツンとした感じの物が多いのではないだろうか。しかしながらこの焼酎はとても先ほども申し上げたとおり、柔らかい。そしてほろ苦甘さがすごく良い感じだ。ロックで飲むのも良いが、このような焼酎はお湯割りも結構うまいのだ。

博多焼酎の底力を感じさせる1本といえる。
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