このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
姫泉酒造(資) 宮崎県西臼杵郡日之影町
(2007.12.09)
西臼杵郡日之影町の中心市街地は国道218号線に架かる青雲橋の真下の谷間にある。
雨が降れば雲が斜面を駆け上がる様子を見る事が出来るし、もしかしたら橋の上からゆらり・・・と流れる五ヶ瀬川の様子を橋の上からご覧になった方も多いのではないだろうか。川面より橋までは137m、そして長さは410m。国道に架けられたアーチ橋としては東洋一の規模を誇る。延岡市から高千穂を目指すせば、日之影町市街地の遥か上の山を貫く中村トンネルを抜けた途端に宙に放り出される格好だ。フロントガラスに映るのは一直線に延びる道路。思わずアクセルを踏みたくなるが、交通安全に心がけるgoidaなのですね(爆)。
この青雲橋は日之影の町で五ヶ瀬川と合流する日之影川をまたぐ。直下には、平成17年9月5日まで鉄橋を走るかわいらしいディーゼルカーの姿を見る事が出来た。まぶしい白色の車体に濃淡の桃色〜紫色をあしらった
TR高千穂鉄道
である。昭和62年の国鉄民営化から2年後の平成元年の4月28日。JR九州から沿線の自治体が第3セクターという形で引き継いだ鉄道であるが、この台風の襲来によって降り続いた豪雨によって鉄道は壊滅的な被害を受けてしまう。
その後、行政の支援も受けられず、会社としては鉄道線の廃止を決定してしまう。槙峰から高千穂までの一部区間を地元観光業界が
神話高千穂トロッコ鉄道
という形で引き継いだのであるが、運営開始までの資金繰りが難航。観光に特化した形での経営も模索したが、遂にその夢も消えようとしている。
限界集落の危機が全国的に叫ばれる昨今。西臼杵郡も例外ではない。殊に、台風被災によるTRの運休以降、沿線集落の空洞化の進行が地元新聞紙でも報じられている。交通依存の変遷というのは理解できるが、TR高千穂鉄道の運休以降の変遷を目の当たりにした時、公共交通機関の存在意義の変貌さ加減に大きなギャップを思えてならない。
この甘藷焼酎が造られるのは、市街地の中心部。日之影町役場のすぐ近くにある。元々はもち米や麦やとうもろこしといった穀類焼酎を造る焼酎蔵として知られていたが、焼酎ブームを経て、それまで児湯郡川南町と都農町の境界が北限であった甘藷焼酎の製造限界を押し上げている。
これがこの焼酎なのであるが、飲んでみた時の第一撃が印象深い。さすが無濾過と言いますか、口に含むと芋の甘酸っぱさ、ほろ苦さがまず口の中にパッと広がり、続いてじんわりと染み渡っていく。それでいて、白麹仕込みという事であるがキレもよく、あまりしつこさを感じさせない。価格もお手軽設定であり、気軽に飲めるもうれしい。個人的にはお湯割りがいい気がする。
なお、度数違いもあり、宮崎標準系の20度では真っ白のラベルで差別化されている。
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