このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
|


先日、九州各県の同じ業種の人が集まっての研修会が宮崎市内であった。全部で50人くらい。鹿児島からはその研修会の対象者がいないということで誰の参加もなかったのだが、それでも結構な数だ。研修は3日にわたって行われる。その内容についてはここで触れることでもないと思う。
で、初日の晩。橘通西のとあるホテルにおいて交流会と相成ったのだ。和洋中のバイキング方式の飲み会。生ビールはピッチャーで運ばれてきて、カウンターに申し出れば霧島&黒霧島をお湯割り、ロック、水割りと好きなスタイルで飲むことができる。まぁ、はしゃぎましたね。「交流会」という言葉のごとく、いろいろと情報を仕入れました。
会も進むにつれて、皆さん席を立っての歓談となるのはどんな飲み会でも一緒です。そのような中、席を行ったり来たりしている“酒”がありました。
そう!それぞれの県の特産品である焼酎&泡盛やったとです。上記画像は交流会の次の日の研修会会場にて・・・なのですが、沖縄から来られた人は“請福 Yui”、“菊の露 VIP”、“久米島の久米仙(透明の角瓶だったので12年古酒か?)”とゴージャスなラインナップでございました。そして、佐賀県からは宗政さんの所の“黒仙山”、そして菱を使った珍しい“菱娘”(ちょっと麦の性格が勝っていたかな・・・。でもどこか淡泊でした)。福岡県の方はあの『胡麻っぽい!!』でおなじみの紅乙女(本当に胡麻っぽかったのでびっくりしました)。
九州沖縄の蒸留酒が一同に会すというのはなかなかございませんね。ここで、これらお酒が飲み会に於いて演じる役割について考えてみましょうか。
自分の出身県で造られる酒というのはその土地の食文化を如実に表す物であって、ちょっと詳しい人であればそれら酒が飲まれるシチュエーションというものを類推することができると思います。その土地の郷土料理の味付け、郷土に根付いた野菜などの産物。海や山の産物・・・。酒一つで無限の広がりを見せることも多いかと思うのですね。
また、佐賀の菱焼酎など誕生の背景に九州の穀倉地帯である佐賀平野における減反政策などがあったり(原料はコストの関係から輸入しているらしいです<『九州のムラ』第12号より)と、その土地ならではの地理的、歴史的なバックボーンもうかがい知ることができますね。この菱焼酎のように珍しい原料を使用するというのも単純にその県の特色となりますから、ある意味マーケティング(<全く詳細は知るよしも無いですが)上、非常に有効な武器となります。
また、南九州で生産される甘藷を原料に用いた芋焼酎。度重なる噴火によって積み重ねられた火山灰土壌にこの中米原産の根菜類は絶妙なマッチングを見せ、中世の享保の大飢饉に於いては薩摩藩の領民を飢餓から救ったなどと郷土史的な一面を見せることもあります。原料一つとってもお勉強!!でございますな。
このように、たかが酒といっても、その瓶1本からは地域郷土の特色のような物が芋蔓式に連なって出てくるのであって、いうなれば“侮れない”という結論に至ってしまうのであります。商品としてわかりやすいだけに、“なおさら”なのですね。
皆様も、飲み会で飛び交う酒の種類という物にちゃくもくされてはいかがでしょうか?
(06.02.05)
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
|