このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

(株)白金酒造 鹿児島県姶良郡姶良町
(株)白金酒造さんは、レギュラーの「白金乃露」、こだわり系の焼酎「石蔵」などでノンべぇによぉく知られた蔵元だ。

蔵元は旧国道10号線にあり、重厚な石造りの建物が目印である。
この焼酎。

非常にマイナーな銘柄でして、存在を初めて確認したのは2年前の冬。場所は蒲生高校近くにある小さなコンビニであった。その前に立つ大きな看板。「蒲生町にあった蔵元の銘柄」と思っていたのだが、コンビニの中に入ると一升瓶がズラリ。2本くくり、3本くくりも置いてある。しばし眺めて財布の中身を見たが、あまりの心細さに購入を断念したのだった。

現時点では蒲生町と隣接する吉田町の一部の店頭でしか確認できていない。栗野町や吉松町でみられるように、その地域内の流通に限った焼酎なのだろう。

その後、月日は流れ・・・。
先日鹿児島を訪れた折、とある席で再会を果たしたのだった。


瓶を見てみよう。
ラベルは蒲生町のシンボルである蒲生八幡の「蒲生のクス」である。保安4年(1123年)の蒲生八幡の創建の頃には、既にこの「クスノキ」は御神木として祀られていたらしい。また、奈良時代の「道鏡事件」で大隅国送りとなった和気清麻呂が杖を地面に建てたところ、それが根付いて・・・という伝説もあるようだ。

「蒲生のクス」の樹齢は推定1500年。樹高30m、幹回り24.2mと非常に馬鹿でっかい木である。大正2年に東京農科大学の本多静六博士が発行した『大日本老樹番附』において、東の横綱に位置づけられていることにも納得がいく。

それにしても地元、蒲生町ではどのくらい売れているのだろうか。ラベルの詰め口をみると「02.04.27」とあり、どうやら製造継続中のようだ。せっかく町に銘柄があるのだから飲まれていて欲しいと思うのだが、どうなんでしょう。


開封する。
柔らかく、非常に甘い芋焼酎の香りである。原料には『さつまいも、オート麦、米こうじ、麦こうじ』とある。「なんでもござれ」といった感じも受けるが、特に原料に麦を使用している感じはしない。ちなみにオート麦とは燕麦のこと。燕麦といえばウマの餌、鳥の餌、ネコ草・・・などと動物方面でおなじみの穀類である。近頃では「ビタミン豊富な健康食」としても注目されている。

さぁて、飲んでみようか。
飲み易かったりとどこか違和感を感じるのだが、香り同様、芋焼酎そのものである。飲み込んだ後も甘い余韻がしばらく残る。美味しいのですいすいと入っていくのだが、私としてはお湯割りが良いと思いました。

(2002.12.12)

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