このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

しろ
銀滴
王手門酒造(名) 宮崎県南那珂郡北郷町

(2007.10.31)
発売は今年の春先だったかなぁ・・・。透明な瓶など店先で見かける機会はそうそうなかったので、気になっていたのだ。

販売元は芋焼酎“不阿羅王(ふぁらお)”をはじめとした個性ある焼酎を世に出される 王手門酒造さん である。“
銀滴”という銘柄自体はこの焼酎蔵の前身の門下酒造時代からの代表銘柄であるが、近年まで従来の真っ赤なラベルの装いで販売されていた。

この“銀滴”という焼酎の存在を初めて知ったのは、『焼酎楽園』の 金羊社 が2000年に発行した『鹿児島・宮崎芋焼酎・黒糖焼酎名鑑』だった。そのころの王手門酒造は、他の宮崎県内の焼酎蔵元がそうであったように、郷土に親しまれた焼酎を醸す焼酎蔵の一ッであった。それから少し後、今のような洗練されたパッケージングの焼酎を創り出す文字通り「アーティスト」な蔵元へと変貌を遂げ、宮崎焼酎の持つ一つのキャラクターを形成し、全国に広いファンを獲得しているのはご存知の通り。蔵も武家屋敷群が街並みに独特のアクセントを与えていた日南市飫肥から、鰐塚山を望む自然あふれる北郷町へ移転した。

蔵元の所在は北郷町の中心部から飫肥にほどなく・・・といった所のようだ。蔵からはゆらりゆらりと日向灘へと流れゆく広渡川が見える事だろう。この辺りの広渡川の河川敷は広大で、週末ともなると少年サッカーの練習試合が行われる。春には地元の地区総出で河川敷の野焼きが行われ、風景は灰褐色の煙に消えていくのだ。これらは、宮崎に在住されている方にとってはお馴染みなのではないだろうか。

さて、この“
しろ銀滴”という甘藷焼酎。『しろ』という言葉が示すとおり、白麹仕込みである。感想としては、蒸した甘藷のホクホクとした甘みがお湯割りでは全面的に出ているのだが、それがすっぱりと切れる飲み口である。どちらかといえば辛口の焼酎だろうか。

なお、同じ頃発売された“
むぎ銀滴”と同じく、売上の一部が財団法人交通遺児育成基金へと寄付される。同蔵が思い描いている社会への利益還元の形なのだろう。
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