このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

Tempeを食べやう。
Tempe(=テンペ)って何だ?と思われる方もおられよう。インドネシアの納豆と言えばわかりやすいと思う。

実はこんな食材が存在するんだと言うことを知りませんでした。 昨年、インドネシアのバリに数日だけ滞在したけれども、それらしい物は見かけなかったし、当然食べる機会もなかった。地元の庶民的な食堂“Warung(=ワルン)”に行けばそれも可能であっただろうが、なんで行かなかったのであろう。焼きめし(Nasi Goreng=ナシ・ゴレン)と焼きそば(Mie Goreng=ミー・ゴレン)は食いまくっていた。
妻の産科の定期検診で診察の順番を待つ間に料理雑誌を広げなければ、庶民に欠かせない食材としてある“それ”を知ることはなかったのである。
記事自体も“バリ島”なる文字がタイトルにあったためで、単純に“テンペ”だけでは目に留めたか・・・。しかしその記事をランランとした目で読み切り、「テンペ食いてぇ・・・。」となったのは言うまでもない。

改めてテンペって・・・ということだが、大豆を発酵させたインドネシアの伝統的な保存食である。上にも書いたようにインドネシア版の納豆と言った方がご理解いただけると思う。我が国の伝統的大豆加工食品“納豆”と比較すると、臭いもないし、風味も大豆そのままである。そして徹底的な違いはあの粘りがない。

テンペは納豆と同様、水で煮た丸大豆に種菌を混ぜ、発酵させて作られる。納豆と異なって味や風味に独特の癖がない、粘りが出ないのは、菌の種類が納豆の納豆菌に対してテンペのテンペ菌と違うことと、発酵期間が通常1〜2日と短いことによるのだろう。伝統的なテンペの作り方では煮た大豆をバナナの葉にくるんで発酵させる。面白いことに、このテンペ菌はバナナの葉っぱにいるのだそうだ。稲ワラに多く存在している納豆菌の関係とよく似ているじゃないか。

日本にも早い時期に入ってきており、最近の健康ブームによって低カロリー、コレステロールフリーの食品として脚光を浴びている。元々は豚を食べることが禁じられているイスラム教徒の多いジャワ島が発祥のようである。今はインドネシア全土に広がり、重要なタンパク源として食卓に並んでいる。

・・・ま、そんなこんなで8月のある日。南宮崎駅の近くにある宮交シティのダイエーへお買い物に行ったのです。すると豆腐など共に並んでいるではないか!?思わず買っちゃいました。
私が購入したのは国産の物。『 くめ・クオリティ・プロダクツ(株) 』なる茨城の会社が製造した物である。本来ならご当地の物をということになるが、まあ、お手軽が信条ですので、これで良しとしましょう。

残念ながら(つーか当たり前か)、バナナの葉っぱではなく真空パック包装となっていた。色は真っ白に近いんですね。雑誌の写真から柔らかい物を想像していたが、包装を解くと案外かたく、ポロポロとくずれる。
さて、どうやって食べるか・・・。色々と調べてみたが、食べ方を選ばないようだ。生で、炒めて、煮物にも・・・。サラダのようにして生で食べるのは芸がない。それならば地元でスナックの様に食べられているという“Tempe Goreng”を作ってやろうじゃないか。・・・いやね、単純に揚げるだけなので。お手軽でしょ。
《作り方》・・・である。

①テンペをまな板に載せ、スライス。

誰だい?包丁を持つ手が危なっかしいて言っているのは。別に良いじゃないか。そんなに包丁持つことがないんだから(撮影は妻です)。
②油を熱し、テンペを投入。こんがりきつね色になるまで揚げる。

テンペに対し、最大限の礼を尽くすため、新しいサラダ油で揚げました。香ばしい香りが漂いまして、wifeが「まだできんと?もう良いっちゃないと?」などと鍋を覗きに来ます。
③油を切って盛りつけ。はい!できあがり。

 こげんあっさりできてしまった。当然ながら味がないので盛りつけた皿とは別に現地のトウガラシ系調味料“サンバル・アスリ”を別の皿に出した。このサンバル・アスリ。その辛ウマさに非常にはまるのである。そのままディップとして、炒め物への隠し味・・・。重宝している。
アトゥのランチョンマットとコースター、そして未開封(爆)のヤシの木の樹液から作る蒸留酒“Arak(=アラック)”を並べてみた。いつもの台所の風景であるが、案外“南の島的食卓”になってしまう物である。ちなみにアラックの銘柄は“Arak pura”というもの。そのうち開封して飲んでみるのでお楽しみに。

テンペ・ゴレンはカリコリと香ばしく、非常に酒との相性もよい。ボリボリボリ、カリコリ・・・と独り占めしてしまい、wifeのひんしゅくを買ってしまった(爆)。

同じ東南アジアであってもタイ、ベトナムよりはずっとマイナーなインドネシア料理である。こんなに簡単で良いのか?と思っちゃうくらい簡単ですので、興味がある方はお試し下さいね。
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(04.08.22)

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