このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

(株)尾鈴山蒸留所 宮崎県児湯郡木城町

(04.04.29)
山翡翠
木城町。高鍋町から西側、尾鈴の山々へと続いていくなだらかな傾斜と照葉樹の緑、小丸川の流れ・・・。美しい所である。かつて、身分や階級を越えて人が人らしく生きる事の出来る理想郷を求めた武者小路実篤は石河内地区に“新しき村”を拓いた地だ。

また、木城町は日本の孤児の父“石井十次”が町の南端にある茶臼原につくった孤児院を元にする『友愛社』があることでも有名だ。
慶応元年(1865年)、高鍋藩の下級武士に生まれ、医学を学んだ岡山にてキリストの洗礼を受けた。岡山にいた明治20年より孤児救済を始め、岡山や茶臼原の孤児院設立など、福祉という言葉がない時代に震災や飢饉による3千人の孤児たちを救ったという。

現在の友愛社では当時の建物そのままに、敷地内で和牛を飼養するなど、子供と「農」が非常に密接にある教育を行っている。今では地元木城町や高鍋町などで児童養護施設や保育園も運営。その石井十次の業績を伝えるため、石井十次の生涯を描いた映画『
石井のおとうさんありがとう』(監督:山田火砂子)が宮崎県内各地(十次の縁のある地)でも進行中である。今夏、全国公開開始。主演は松平健、十次の妻役に永作博美。他、竹下景子、辰巳琢郎等々・・・。業務の巡回コースにロケ地(友愛社)があることもあって、友愛社の前を通過していた。でも、永作博美を見ることは出来なかった・・・(泣)。

木城町はしばらく焼酎蔵の空白地帯であった。高鍋の黒木本店が“新しき村”の近くに“(株)尾鈴山蒸留所”を作ったことでそれも解消している。新富町のある廃業蔵の指導による手づくりの麹作りとカメ仕込みが売りの蔵元だ。ここや高鍋の黒木本店で出た焼酎粕は自社プラントで肥料化されるというが、最近では牛のエサ(ペレット状)としても加工・販売しているようである。

主にそのままやロックで飲んでいたが、香りはおとなしく上品。加えて甘い風味で飲みやすい感じだ。スッと腹の中に入っていく感じであるので、とっつきやすいなぁ・・・などと思ったりする。

ラベルはかわいらしいカワセミ。モノホンの“カワセミ”は宮大の周辺でも何度か見たことはあったけれども、青い輝きを残して飛びさっていく姿についつい後を追ってしまう。確かに上品な感じの焼酎。でもどこかしっくりと来ない。

どうでも良いことだけど、ワープロでの変換は簡単だけれども、『山翡翠』と漢字で書けます?
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尾鈴山

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