このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

日本の美〜Japanese Beauty〜

サントリーの烏龍茶(高2)


中学校に入学から幾度となく、列車で旅に出た。
最近気付いたのだが、極論してしま うと、日本の風景はどこへ行っても同じである。
ローカル線に乗ってみると、「あっ、この風景、どこかで見たことあるな」と思うことがよくある。
そして、冷静に考えてみれば、それもそのはず、似たような風景を何度も見ているのである。
筆者にとって、典型的な日本の風景とは次のようなものである。


「山と山の間を、川が流れている。川幅は3メートルくらいである。川に沿って、細い平地がある。
 そこに、線路が敷かれ、道路が作られ、狭い水田がある。筆者は、その線路を走るディーゼルカーに乗っている。
 季節は、初夏か盛夏。始発駅を出た頃は混雑していたディーゼルカーも、すっかり空いてしまって、乗客は1ボックスに1人ずつぐらい。
 筆者は、川に沿った側のボックスシートに座り、靴を脱いで、足を向かい側のシートに投げ出している。
 ボックスシートの背ずりにもたれて、ほどよくくつろぎながら、外をぼんやりと見ている。
 川のこちら側に2車線の道路がある。ややカーブの多い道路を通る車は少ない。
 川の向こうに細い舗装道路、家が何軒か道路に沿って並び、水田がある。
 水田の稲は青々と育ち、山の木々と緑とのコントラストが美しい。川の水は澄み、川底の砂利が見える。・・・」


この状況にぴったりとはいかなくとも、「川プラス線路プラス道路」という構造は、日本(北海道は除く)のあちこちに存在する。
これは当然と言えば当然で、山がちな日本の国土に、線路や道路を安い工費で通そうとすれば、必然的に川沿いということになるからである。
筆者が今までに乗った路線の中だけでも、
飯山線・小海線・高山本線・関西本線・日田彦山線・久大本線など、この風景を車窓に持つ路線は多い。
では、どこへ行っても同じならば、なぜ大して変わり映えのしない風景を見るために、あちこちへ旅行に出かけるのか。
それは、この風景を見ることで、一番心が落ち着くからである。
この景色の美しさに触れることで、日々の生活に疲れた心を癒すことができるのだ。


この風景こそが、まさに、日本の自然の美しさ、Japanese Beautyだと思う。


前ページパンフレットTOP次ページ

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください