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九州車両の模型事情

お手軽工作でキハ125(YDC125)を作る




ちょっと高度になりますがキハ125をプラ板で自作してみましょう。
ペーパーのものは最近のRMモデルスに紹介がありました。

用意するものはプラ板t0.3、t0.5とGMの台車伊豆急TSと
GMバスのベンチレータ、国電などの屋根板の余りとAU26クーラーです。
GMキットの床板が余っているとなお良いです(台車の入るセンターピンの
穴を作る手間が省けます)。
図面を手に入れる必要がありますが、鉄道ファンなどが手ごろです。
YDC125の図面と新車ガイドが乗っているのは鉄道ファン93年4月号です。
この号は103系通勤電車について特集しているためか売れ行きがよく、古本屋でも
あまり置いていないようですので、根気良く探すか、持っている人に借りましょう。
私はなんとか見つけました(だって国電に縁がない地域だもん)。
図面のコピー
図面を縮小コピーします。
80分の1ですので1/150にするには、53.3333%になります。

図面から測り取るか、図面の寸法を
根気良く計算するかは、お好みですが、計算がおかしくならないように注意します。
図面から測るときは1mm以下をどうするか、予め決めておき、トータルバランスを
崩さないようにしましょう。また、使用する床板の寸法も測っておき、それに合わせて
作ると組み立てるときに慌てずに済みます。
ちなみに私が作ったものは窓のピッチが左右で2mmほどずれています^^;;。
本当なら中央付近はクロスシートが左右に並ぶのでピッチが合わないといけません。
図面を自分で起こして確認すればよかったのですが、後の祭りです。
基本的には左右で全く同じですので、ピッチに気を付けさえすれば同じものを
左右二つ造るだけです。厚みは外板をt0.3で作ります。

窓はカッターナイフが滑らないようにピンバイスで四隅を大雑把に開け、カッターで
切り取って、金属ヤスリで広げ、仕上げます(左図)。
扉の下辺靴ずりの部分は細いので折らないように十分注意します。
軽い力でヤスリを動かします。

前面
t0.3で作りますが、これで貫通扉を別に仕上げると扉が奥まった感じになりますので
前面にケガクだけにしておきます。幌とライトは別付けです。幌だけ接着しておきます。
屋根に接するRは利用する屋根板の曲線に合わせます。鉛筆で板に屋根を当てながら
大雑把な曲線を描いて切り出します。

裏板
側板、前面とも切り抜いたら、裏板を作ります。
裏板はt0.5で作りますが、どこまで作るかはあなたの腕次第。
金属キットなどを見ますと、裏板にドアなども一体になっていますが、私の場合、
ずれているかも知れず、リスクが大きいので裏板は窓の下のみにとどめ、ドアは
別に作りました。

窓の中桟を抜くのも面倒ですのでこちらも省略し、窓に直接塗装して
再現することにしました。
裏板は少し大きめにつくり、上を窓からのぞくようにして、サッシの下部を兼ねるように
すると楽です。前面の裏板は下部のみにとどめ、補強材を入れるスペースと側板との
合わせを考慮します。

裏打ちしたとはいえ、もとが薄いので板ははっきり言ってペラペラです。
作り方にもよりますが、GMキットのパーツみたいには強くないので、
折ったりしないよう、製作中も完成後も扱いには十分注意しましょう。
なお、作例に使った屋根板はGMのモハ112のものですが、これでなくても側板と屋根が
接する部分の強度を上げるために屋根板の接着部分にt0.5で帯板を作り、スペーサーと
する必要があります。長さが違う場合は側板に合わせて切断します。
モハ112のパーツを使ったのは単に部品のヤリクリ上の問題で、別に他の車両でも一向に
構いませんが、この車両の場合、パンタ穴のうち、妻板に近い方をふさがずにおくと
JR無線アンテナを取り付けるときに楽です。私は気付かずに2つとも塞いでしまい、
あとで開けなおしています。
作例では側板と妻板の接合部(コーナー)にt0.5の帯板で補強を入れていますが、
作り方によっては前面の窓からはみ出すこともありますので、接着前に確かめてください。
作例では窓を切り出すのが大変でした。

接着
ハコに組むのは落ち着いてやりましょう。特にプラ板はプラモデル用接着剤で、強力に
接着されるので、失敗は出来ません。屋根板は側板とつながりがスムースになるように
することを第一とします。

くみ上げたら瞬間接着剤を流して補強します。
接着が終わったら前面上部のカーブをヤスリで整えます。隙間があったら瞬間接着剤で埋め、
大雑把にヤスリで削って側板ともども屋根板とのつながりをスムースにし、耐水ペーパーで
仕上げます。
手元に耐水ペーパーの適当なものがなかったので、紙ヤスリで骨格を作り、仕上げのみ
細かい耐水ペーパーを使っています。


隙間埋めが終わったら側板と妻板を結ぶRを削り出します。
コーナーに補強を入れたのはRを削りすぎて穴をあけないようにする、という意味合いも
あります。金属ヤスリでゴシゴシ削って丸みを出し、耐水ペーパーで仕上げます。
雨どいは屋根板につくことになりますので、t0.3などで好みに応じて付けてください。
ちなみに私のものは省略しています。

塗装
グンゼの”黄色”を使っています。
この色を直接吹き付けるといつまでたってもケガキ線が消えませんので、先にグレーを
吹いておきます。グレー成型の屋根板と色調をあわせる意味合いもあります。それでも
キッチリ色を出すには相当塗料を使いますので予備を用意するか新品を使うのが安心です。
(Gマックスカラーの白色3号を使うと発色が良くなるとアドバイスをいただきました。)

床板
塗装を乾燥する間(かなり時間がかかります)床板を作ります。18m用の床板ならそのまま
使えるかもしれませんが、20m用を使っていることと、室内を再現する方もいるでしょうから、
床板を活用しつつ自作します。右の図を参考にして下さい。台車は伊豆急TSのブレーキシリンダを
切り取って使用します。動力化する場合は、20m級の動力と交換する必要があります。

仕上げ
レタリングは各自の好みですが、熱転写プリンタでデカールに印刷する方法もあります。
手近にないので手書きですが、使える方は挑戦を。
なお、インクジェットでやると出てきた傍から剥がれてきます。
貼ったらクリアーで表面を保護しておきます。

乾燥したらライトを取り付けます。ライトは予め側面を銀色に塗っておくと色入れが
楽になります。ヘッドライトとテールライトは塗装で再現します。
あとはドア・前面窓のHゴムを塗装で表現します。
あとは中桟を塗装で表現したガラス(透明プラ板でも塩ビ板=GMキットに含まれるでも可)
を入れます。

屋上
屋上には信号炎管とJR無線アンテナ、クーラーとベンチレータを取り付けます。
信号炎管以外は全てイエローですので塗装前に取り付けても良いのですが、今度は色が
まわらなかったりする可能性もありますので。なお、クーラーにつくダクトは、部品とは
曲がっている方向が違いますので、一度部品を切断し、接着しなおします。
そして床板とあわせればめでたく完成します。
ステッカーに手書きでレタリング、という人はあともう少しです。

私の場合、工期は6日間でした。

自社線連絡

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