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第1弾:綾瀬駅東口−足立区役所−西新井駅東口
サティ脇の細街路を終点西新井駅東口に向かう「はるかぜⅠ」
■路線概要
こども家庭支援センター−綾瀬駅東口−青井駅−足立区役所−西新井駅東口を結ぶ路線である。環状7号のやや南側を並行しており、環状7号を走るバス路線と競合関係にあるが、綾瀬・西新井で駅前に直結しているため底堅いニッチ需要を拾っている。運行は日立自動車交通で、「はるかぜ」路線中で唯一、「足立区コミュニティバス」と車体にロゴが記されている(ただしロゴがない車両もある)。
ちなみに、以下の実乗記はつくばエクスプレス開業前段階のものである。
■綾瀬駅にて
ある平日の夕方、綾瀬駅に降り立った。バス停の時刻表を見ると、ついさっき出発したばかり。少々がっかりするが、待ったところで高々20分、確実に座れるからと思い直して到着を待った。
「はるかぜ」を待つ列は次第に伸びていく。また、道路の対面では第二弾六ツ木都住行が立客まで一杯で出発しており、こちらも商売繁盛だ。
ほぼ時刻どおり「はるかぜ」がやってくる。実は最近、起点はこども家庭支援センター(東綾瀬区民事務所前)に延伸され、ここ綾瀬駅東口は2番目の停留所になっているが、先客の姿はなく、実質的には起点のままである。乗車したのは老若男女あわせ21名、立客まで一杯で出発した。
■綾瀬川あたり
駅近くの交差点で右へ左へと曲がり、五兵衛新橋に向かう。橋は渡らずに、側道に入りこむ。土手際の丁字路は右折禁止、かといって左折はありえない、さてどうするかと思いきや、橋下でUターンしたのには驚いた。さすが小回りのきく車体である。大型車ならばこうはいかない。
折り返した先すぐの交差点を左折する。ここで両方向合流するが、なぜセンターラインが引いてあるのか不思議になるくらい狭い道だ。綾瀬川左岸を往く道筋、バス幹線道路がほど近いせいか、綾瀬四丁目、綾瀬病院入口と乗降がない。
狭い道どうしの交差点を左折し、綾瀬新橋で綾瀬川を渡り、「はるかぜ」独自の領域に入りこむ。青井小学校入口で 2名降車、日商岩井綾瀬マンションでは 9名が降車し 1名が乗車してきた。車内はだいぶ空いた感じで、空席もできる。
第十一中学校では 1名が降車、瀧野川信金では乗降なし。四ツ家町の六差路を右折し、まっすぐ北上する道に入る。道幅がさらに狭まったように感じるのは、気のせいか。交差点内に車道幅を侵して信号柱が立っているところもあって、いささかこわいのだが。青井ふれあい公園で 1名が降車、粟島小学校入口では 4名が降車した。
左折して、再び西に向かう。栗島中学校前では 3名が乗車、栗島住区センターでは乗降がなかった。国道 4号に突き当たって左折、やや南下して足立区役所のバスロータリーに入る。ここで 2名が降車し、 3名が乗車してきた。
■最後は無理の連続
夕焼けの陽光がやさしく照らされて、車内の雰囲気はけだるい静かさに包まれる。梅島二丁目では乗降なし、大正新道では降車が 1名あった。旧日光街道をクランク状の交差点で横切る。ドライバーとしてこの交差点で初めて「はるかぜ」に出会った時には「こんな道路にバスが通っている!」と驚いたものだが、どうもコミュニティバスという交通機関は無理をきかせるのが標準のようで、今日この程度では驚けなくなってしまった。
アシスト(障害福祉センター)は西行き降車専用の停留所だが、さすがにこの時刻では降車なしで通過、いよいよ最大の難所サティ脇の細街路に入りこむ。この街路は狭いうえに急曲線が二箇所あり、普通車を運転するのも気疲れするような道路だ。しかし、ここを通らない限り、駅階段直近につけることはできない。バスに無理をさせて利用者の利便性を追求する様子に、「はるかぜ」をはじめとするコミュニティバスの本質があるとはいえまいか。
終点西新井駅東口に到着、 8名が降車した。通し利用は少ないにしても、大型車が入れない領域を結び、相応の需要をつかんでいる意義は大きい。気になるのは将来のことで、最も降車が多かった日商岩井綾瀬マンションのすぐ近くには、つくばエクスプレス青井駅が来年秋に開業する予定だ(筆者注:初稿執筆当時)。これに利用者をとられてしまうのか、それとも大手町直通で始発列車ありの綾瀬駅がアドバンテージを保つのか。
実際のところ、つくばエクスプレス開業後半年を経た現在でも、この路線が営業を廃止するという話は届いておらず、路線設定の巧妙さには驚きすら感じる。
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