このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
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ロングシート車の登場
■ロングシート車の登場
筆者にとっての日暮里・舎人ライナーは日常的な交通機関であり、毎日とはいかずとも高い頻度で乗車している。それなのに、ダイヤ改正にはまったく鈍感であった。実は先日、たまたま乗車した編成がロングシートであるのに驚き、その後調べてみれば
平成21年 8月29日からダイヤ改正されていた
ことに初めて気づいたのである。
最も身近な交通機関の変化に鈍感だったとは、迂闊というかなんというか、我が不明を恥じるしかない。
左:クロスシート車内 右:ロングシート車内
(舎人公園−谷在家間にて) (日暮里にて)
ともあれ、ダイヤ改正が夏にあったわけだ。在来車(12編成)の二人がけクロスシート部をロングシートに置換した新車 (2編成)を投入し、朝ラッシュ時・夜間・土曜休日に増発するのがダイヤ改正の主眼で、あわせて在来車のロングシート化改造を進めることになっている。日暮里・舎人ライナーはよく利用されており、混んでいる列車が多い現状を考えれば、ロングシート車の投入は当然の対応策である。
ところで、
平成19(2007)年 7月13日の当局発表
によると、事前の試験では詰めこみがききすぎることが判明したため、「安全の確保とお客様への配慮から」クロスシート車に設計変更した経緯があるようだ。結果として、幅もピッチも狭く、居住性にすぐれているとは到底いえない、中途半端な造作のクロスシート(特に車端の四人がけはひどすぎる)が提供されたのは、問題含みの措置と評さなければなるまい。
■クロスシート=高度サービスではない
クロスシートの方が「お客様に配慮した」より高度なサービス、という考え方は幻想にすぎない。クロスシートだろうがロングシートだろうが、水準に達しない設計は良くない、という話である。日暮里・舎人ライナーのクロスシート(※)は、いくら乗車時間が短いとはいえ、かなり苦しい設計であることは明瞭だった。それをロングシート化で緩和するという発想は、相応に合理的である。
※同じクロスシートでも、一人がけでは粗があまり目立たない。二人がけになると途端に狭苦しい感じが伴い、向かい合わせの四人がけに至ってはまともに座れないほど窮屈になる。
先頭車の「展望席」はいつも埋まっている(舎人公園にて)
過去記事で紹介した
とおり、当局は事前の需要予測(しかも下方修正済みの数字)で、利用者数を59,000人/日としていたのである。
平成20(2008)年度の実績は48,943人/日
だったのだから、日暮里・舎人ライナーはほんらい、充分な余裕を持って運行されていなければおかしい。
勿論、完全無欠な予測などありえないとしても、混雑が扉付近に集中する現状からすれば、開業当初からロングシート車投入が妥当だったのではないか。日暮里・舎人ライナーでのロングシート車登場は、「予想外の好況ゆえの変化」ではなく、「本来あるべき状況に近づいた」現象と理解できる。
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